おまとめローンと債務整理(後編)

こんにちは。司法書士の粒来です。

前回のコラムは、おまとめローンは借入残高と利率の兼ね合いで返済しやすい仕組みになっているため、一見借り手に優しく見えるというお話でした。

しかし、相続や保証でいきなり多額の借金をかぶったような場合を除き、毎月返済に追われるようになった原因は、借金がなくても既に家計収支が赤字だったことにある方がほとんどです。

特に毎月の返済で精一杯の方は見落としがちかもしれませんが、借金がなくても赤字なら、毎月の返済額をいくら下げたところで新たな借入れをせずに返済を続けるのは不可能です。

おまとめローンで完済した元の借入先は、完済で限度額の枠がまるっと空いて再び借入れをしやすい状態になっており、実際、おまとめローンの債務整理を依頼される方は、多くがおまとめによりいったん完済した業者からもその後に借入れを再開してしまっています。

そうなると、おまとめローンが逆に借金増加のきっかけとなり、かえって自分の首を絞めることにもつながりかねません。

毎月の返済に追われている方は、つい気を取られがちな目先の返済の軽減ではなく、借金の原因がどこにあり何を修正しなければならないのかをしっかりと見極めることが重要ではないかと思います。

そのような方に必要なのは、おまとめローンではなく債務整理です。

毎月の返済に追われながら自身の生活について冷静に考えるのは非常に難しいと思います。

債務整理をすることでいったん返済を止め、債権者からの取り立てのない状況でじっくり自身の生活を振り返ってみる機会が必要です。

おまとめローンの利用を検討していること自体は、借金問題を何とか解決しようと前向きに考えている証だと思います。

その気持ちを維持して正しい方法を選択できれば、借金問題の解決はあと一歩です。

問題解決に向けた具体的なメニューを用意するのは我々専門家の仕事ですが、債務整理をする場合、借金の少ない早期段階の方が整理の選択肢が多くなります

ご自身の借金に危機感をお持ちの方は、ぜひ、少しでも早い段階で弊事務所にご相談いただければ幸いです。