ヤミ金は犯罪です!一切返済する必要はありません!!
違法な貸付を行うヤミ金に対する刑事罰は、以下のとおりです。
- 無登録営業(貸金業法3条、11条、47条)
10年以下の懲役若しくは3000万円以下の罰金、又はその両方 - 年109.5%を超える金利の契約(出資法5条1項)
10年以下の懲役若しくは3000万円以下の罰金、又はその両方 - 貸金業者との年20%を超える金利の契約(出資法5条2項)
5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金、又はその両方 - 違法取立(貸金業法21条1項違反、同法47条の3)
2年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又はその両方
- 平成22年6月18日に出資法の上限金利が年29.2%から20%に引き下げられたことに伴い、年20%を超えた利率で貸金業者が貸付を行うと、出資法違反で刑事罰の対象になります。
- 登録業者かどうかは、金融庁ホームページにおいて確認できます。
ヤミ金は、多様な手口で勧誘、貸付を行っていますが、主なものとして以下のような手口があります。
携帯電話一本で、短いサイクルで超高金利の貸付を行う無登録業者です。業者の連絡先は携帯電話番号のみしかわかりません。一度借入をすると、業者間で情報が流れるようで、次々と他の業者から電話による勧誘が来るようになります。借入に際しては、携帯電話番号、勤務先、家族の連絡先などの情報提供が求められます。
1週間から10日サイクルごとに振込により返済を求められるケースが多いのですが、レターパックに現金を入れて私書箱へ送るように指示する業者もいます。ヤミ金のご相談の多くは、この090金融です。
主に中小零細企業者に対し、FAXやダイレクトメールで融資の勧誘を行い、違法な金利を請求する業者です。
借入に際しては、手形・小切手を担保に取られ、被害者は、手形・小切手の不渡り、銀行取引停止処分を恐れて、 返済を継続せざるを得ない状況に追い込まれます。
また、一度1社から借りると、他社からも次々と、FAX・ダイレクトメールが送付されてきます。こうした勧誘は、返済日近くに積極的に行われ、勧誘に応じて借入を行ってしまうと、自転車操業に陥ってしまいます。
即時に換金できる金貨などを代金後払いで売渡し、顧客には換金場所を指定するなどして実質的に融資し、代金支払期日に、顧客が換金して手に入れた金額の約1.5倍にも上る額の支払を迫り暴利を得ようとする業者です。
顧客が換金して手に入れた額と金貨金融業者に支払う額の差額が融資の対価としての利息となります。
平成23年1月14日には、札幌簡易裁判所において、金貨金融取引が「公序良俗に反して無効である」旨の判決が出ています。
こうしたヤミ金行為は全て犯罪行為であり、公序良俗に反し、無効です(民法90条)。
また、ヤミ金が、著しく高利の貸付として金員を交付する行為は反倫理的行為であり、民法708条に規定する不法原因給付に該当するとされています。
被害者が、この貸付により交付を受けた金員は不法原因給付によって生じた利益にあたるので、被害者は交付を受けたお金を一切返済する必要はありません(最高裁平成20年6月10日判決)。
当司法書士事務所においては、ヤミ金からの請求には一切応じないという姿勢で取り組んでいます。
ヤミ金は犯罪であり、業者は警察に捕まらないように居場所がわからないように活動していて、わかるのは電話番号だけという場合がほとんどです。
ご相談の際は、ヤミ金からの振込の記載のある預金通帳、ヤミ金への支払をした際の振込明細、ヤミ金の連絡先がわかるもの等、お手元の資料をご持参いただき、取引の内容・経緯を確認させていただきます。
ご相談後は、速やかに電話によりヤミ金に対して、受任の通知、本人及び周囲に対する取立・連絡をしないようにという警告、一切請求には応じられない旨を伝えます。
弁護士・司法書士が介入した時点で、すぐにあきらめてくれるヤミ金もいます。
他に有効な方法としては、ヤミ金の商売道具である預金口座、携帯電話を奪ってしまうという方法があります。
具体的には、「金融機関に対する預金口座の凍結要請」、「警察に対する携帯電話契約者確認要求」です。
預金口座の凍結要請を行うと、ヤミ金は口座を利用できなくなり、預金保険機構を通じて一定の手続を経て名義人の預金債権が消滅し、被害にあったお金を取り戻すことができることもあります。ただ実際には、凍結時点で預金口座残高がない場合も多く、必ずしも全額を取り戻せるというわけではありません。
携帯電話契約者確認要求は、ご本人から警察に対し、ヤミ金の携帯電話番号を通報することにより行われるものであり、通報をもとに警察から携帯電話会社に契約者確認が求められ、不正利用であることが判明すると、携帯電話の利用が停止されるという流れで進みます。
当司法書士事務所では、ケースに応じてこれらの方法を組み合わせながら、一切返済はしないというスタンスで、ヤミ金問題の解決に粘り強く取り組んでいます。
なかには、弁護士・司法書士が介入してもすぐにあきらめないヤミ金もいます。ただ、少しでも支払ってしまうと、ヤミ金は「脅せば取れる」と考えて、更にしつこく取立をしてきます。
ヤミ金問題を解決するには、ご本人にも一緒に、一切請求に応じないという毅然とした態度をもっていただくことが重要になります。
ヤミ金業者逮捕の事件では、逮捕現場となったH銀行K支店で警察と共に張り込みを行い、逮捕に至りました。