住宅ローンの返済でお困りの方,個人再生手続を利用することで,マイホームを手放さずに,住宅ローン以外の借金を大幅に減額することができます。
子供の成長とともに教育費にお金がかかるようになり,毎月の足りない分をクレジットカードで補うようになりました。気がついたら,利用限度額までカードを利用してしまい,カードの利用料金が膨らんだことで住宅ローンの支払いまで苦しくなってしまいました。
親の介護のため妻が退職し収入が大幅に減ってしまった。当面の生活費を補うために,銀行や消費者金融から 借金をしたことがきっかけで,次第に毎月の返済額が増えてしまい,住宅ローンの返済まで苦しくなってしまった。
住宅ローンの返済が苦しくなった原因は,住宅ローンを組んだときには無かった消費者金融からの借金やクレジットカードの利用料金が,その後の生活状況などの変化により大きく膨らんでしまい,その返済が負担になったことで,当初は問題の無かった住宅ローンの返済までも苦しくなってしまったということが考えられます。
そうであれば,個人再生手続を利用して,住宅ローン以外の借金を大幅に減らして,毎月の返済額を大きく減額できれば,住宅ローンの返済を,以前と同じように問題なく続けていけるようになるはずです。
個人再生(住宅ローン特則)とは,住宅ローンはそのまま支払いを継続して,その他の借金を,裁判所を通じて大幅に減額してもらう手続です。裁判所に提出した再生計画案が認可されると,原則として借金が5分の1に減額されます。そして,減額された借金を原則3年で支払うことで残りの借金が免除されます。
住宅ローンはそのまま支払いを継続して,その他の借金を5分の1まで大幅に減額することができるため,住宅ローンの返済に専念でき,自宅に住み続けたままで経済的に立ち直ることができるのです。
ただし,どなたでも個人再生の住宅ローン特則を使えるわけではなく,
などの条件を満たせば,個人再生(住宅ローン特則)を利用することができ,住宅を手放さずに債務整理の手続を進めることができます。
ただし,住宅ローンの返済が長期間滞納してしまうと,住宅を守ることができない場合があります。
「自分は個人再生を利用できるの?」「個人再生を申立てると,どうなるの?」とご心配の方はできるだけ早くご相談ください。債務整理事件について経験豊富な司法書士が,ご相談者の悩みを解決します。
個人再生の手続は,裁判所に対して,個人再生の申立てをすることで手続がスタートします。
個人再生の申立書には,①職業や収入,②生活の状況,③財産の状況,④負債の状況,⑤弁済総額や弁済期間,その履行可能性を記載し,次のことを裁判所に示します。
また,財産の状況や借入れ状況を詳しく説明するために,「財産目録・清算価値計算書」や「債権者一覧表」を作成し,裏付けとなる資料(通帳,車検証,査定書,保険証券など)とともに提出します。
さらに,「家計表」を提出し,再生計画案が認可されれば,きちんと返済をしていけることを裁判所に示します。
これらの書類を準備し,裁判所が納得する書類を自分自身で作成するのは,簡単なことではありません。
当事務所では,5人の司法書士が在籍しており,面談やその後の打ち合わせ,個人再生の申立書の作成や準備等,全て担当の司法書士が責任をもって行います。
最後まで担当の司法書士がサポートしますので,安心してご依頼下さい。
再生手続開始の条件を満たしていれば,個人再生手続を開始する決定が裁判所から出されます。札幌地方裁判所では,この開始決定と同時に,再生計画による弁済予定額を預貯金口座に積み立てることが命じられます。
この積み立ては,認可決定後の再生計画履行の確実性をテストするためのものです。
個人再生は,個人の債務者が利用しやすいように設けられた手続です。
債権額の確定手続も,次の手続の流れにそって簡易・迅速になされます。
債権届出期間の満了後,開始決定で定められた期限までに今後の支払い方法を定めた再生計画案を裁判所に提出します。債権者の理解が得られるよう,公平で誠実な弁済計画にすることが重要です。
ここで,注意をする点は,まず,提出期限までに確実に再生計画案を裁判所に提出することです。
1日でも提出が遅れてしまうと,手続が廃止されてしまいます。
次に,最低弁済額以上の額を支払う計画案でなければなりません。この条件が満たされていないと,裁判所は決議に 付すことができないからです。
再生計画案が法律上の条件を満たしている場合は,裁判所から各債権者に
再生計画案と議決書が郵送され,書面決議に付されます。
なお,給与所得者等再生では意見聴取が行われます。
再生計画案に同意しない債権者の割合が債権額の2分の1を超えておらず(小規模個人再生の場合),民事再生法に定める不認可事がなければ,裁判所は再生計画案を認可します。
その後,認可決定が確定することによって手続は終了となります。
認可決定が確定しましたら,再生計画に従って各債権者に支払いを開始します。
当事務所では,個人再生の申立てから開始決定後のスケジュール管理,再生計画案の作成や認可決定確定後の債権者への支払いの管理を含め,再生計画に従った返済が完了するまで,担当の司法書士が親切・丁寧にお客様をサポートいたします。個人再生手続に不安を抱えているお客様も,安心してご依頼ください。
再生計画案が認可された場合に減額される金額は,次のとおりです。
『再生債権の額』 | 『最低弁済額』 |
---|---|
100万円以上500万円未満 | 100万円 |
500万円以上1500万円未満 | 5分の1の額 |
1500万円以上3000万円未満 | 300万円 |
3000万円以上5000万円以下 | 10分の1の額 |
ただし,所有する財産の合計額が最低弁済額を超えている場合は,返済額は財産の合計額となります。
借金の原因がギャンブルであっても個人再生は可能です。自己破産のような免責不許可事由はありません。
個人再生をしても,一定の職業に就くことは制限されません。自己破産のように職業制限を受けることはありません。
任意整理の場合,各債権者と個別に和解交渉をするため,債務整理手続に強く反対している債権者がいる場合,
任意整理で借金問題を解決することは難しいです。
しかし,個人再生では,再生計画案に同意しない債権者の割合が債権額の2分の1以下に収まっていれば,
たとえ債務整理に反対している債権者がいても手続を進めることができ,借金問題を解決できます。
また,給与所得者等再生の手続をとれば,そもそも債権者の同意は再生計画案の認可の用件となっていませんので,
債務整理に反対する債権者がいても問題になりません。
店舗兼住宅であっても,居住の用として使用している部分が2分の1以上であれば,「住宅」に該当し,住宅ローン特則を使うことができます。なお,店舗兼住宅について,住宅資金特別条項を利用する申立てをする場合には,建物図面を裁判所に提出して,自己の居住の用に供される部分が2分の1以上であることを疎明します。
「住宅の改良に必要な資金」については,住宅資金貸付債権に当たります。したがって,住宅の増改築に必要な資金やリフォームに必要な資金として貸し付けがされた場合は,住宅資金特別条項を利用できます。なお,この場合は,
リフォームで借りたことを証明する契約書等を裁判所に提出する必要があります。
また,住宅ローンの借換えについても,住宅資金貸付債権にあたると考えられています。
住宅資金特別条項を利用するための抵当権は,根抵当権でも利用できます。この場合,根抵当権で担保する債権に住宅ローン債権以外の債権が含まれていない場合に限られますので,この点を証明できる資料を裁判所に提出しなければなりません。
住宅に,住宅ローン債権以外の抵当権が存在する場合は,住宅資金特別条項の利用はできません。
なお,この抵当権が仮登記の場合でも同様に利用することはできません。