スタッフ日記

実質的支配者(←ただならぬラスボス感)

  2019/07/31    ブログ, 登記

こんにちは。粒来です。

 

某芸能事務所の闇営業問題のおかげで,「反社会的勢力」という言葉の注目度が一気に上がったように思います。

 

今回はこれにちなんで,司法書士と反社会的勢力との関わりについて,ご紹介させていただきます。

(誤解を招く表現でしたが,そういう意味ではありません。)

 

ちょっと前に,株式会社などの設立時の定款認証手続(会社の基本的なルールを設立前に公証人にチェックしてもらう)に一部変更がありました。

具体的にどういう変更だったかというと,会社の「実質的支配者」が反社会的勢力に属する人物でないかを定款認証時に確認して,該当する法人の定款を認証しないことで,反社会的勢力による法人の設立を妨げるという枠組みが,新たに作られました。

 

要するに,会社設立の手続にフィルターをひとつ設け,ヤク◯(やくまる)さんの悪だくみのための会社を設立しにくくしたということです。

 

規定の内容は,このようになっています。

 

公証人法施行規則

第十三条の四 公証人は,会社法(平成十七年法律第八十六号)第三十条第一項並びに一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第十三条及び第百五十五条の規定による定款の認証を行う場合には,嘱託人に,次の各号に掲げる事項を申告させるものとする

(以下略)

 

公証人に申告する義務があるのは,定款認証の「嘱託人」です。

そして,司法書士が会社の設立登記を行う場合,多くは,実質的支配者本人ではなく,司法書士が定款認証の嘱託人となります。

つまり,司法書士が公証人に,「今回の設立にかかる会社の実質的支配者は,反社会的勢力ではありません」と宣言する義務を負うことになりました。

 

制度趣旨だけみると素晴らしい制度です。しかし,問題は実効性です。

なじみの方に法人設立を依頼されることもないわけではありませんが,会社設立の依頼者は,どちらかというと初対面の方が多いです。

司法書士は警察や公証人と違い,反社会的勢力に属する人物のリストを持っているわけではありません。目の前の依頼者が反社会的勢力でないことを確認する方法となると,結局のところ,その人の申告頼みになります。

(当たり前ですが,見た目で判断するわけにはいきません。)

 

しかし,司法書士に問われて「私,反社会的勢力です!」と堂々と申告してくれる人は,そもそも隠れ蓑の法人設立など行いません。

詳しく書きませんが,この制度には他にも抜け道があり,残念ながら今回の改正は,司法書士や公証人の責任や手間を重たくしただけの,ザル法の匂いがぷんぷんしています。

 

なお,新しい手続を経て定款認証を受けた後には,公証役場に請求すると,「申告受理及び認証証明書」というものを,無料で発行してもらえるようにもなりました。

これは,当該会社の実質的支配者が反社会的勢力でないことについて,公証人のチェックをクリアしたことの証明書であり,会社設立後に法人名義の預貯金口座を開設する際に,金融機関に提出するなどの活用方法が想定されているようです。

 

 

月末で雑務に忙殺されているところに連日の猛暑が重なり,内容がだいぶ愚痴っぽくなってしまいました。

アメトーーク!でも見て気分転換して,次回はもう少し明るい話題を提供できるよう頑張ります。

 

相続まめ知識⑤ ~相続◯✕クイズ(3)

  2019/06/14    ブログ, 相続・遺言

こんにちは。粒来です。

 

前回記事で,先輩の高井が6月8日に円山動物園に行ったらしいと知りびっくりです。

私もちょうど同じ日に,子どもを連れてゾウを見に円山動物園に行ってきました。

 

甲第1号証 ゾウの写真

 

私は気づきませんでしたが,鼻くそをほじりながら歩く姿を高井に目撃されていないか,とても心配です。

(もちろん鼻くそをほじってたのは,私じゃなく息子です。)

 

さて,(私にとって)長く厳しかった相続◯✕クイズも,今回が最終問題です。

今までの知識の総まとめのつもりで,取り組んでいただければ幸いです。

前回記事 の経緯から,これまでのクイズの結果をふまえて回答してもろくなことにならないのはお察しかもしれませんが,一応,前回の知識のおさらいをします。

 

知識4 亡くなった人の子どもが相続放棄をした場合,孫は相続人にならないので,孫が自分も相続放棄をする必要はない。

 

 

では,問題です。

 

第5問(超上級)

妻も子もいない人が,若くして多額の負債を抱え死亡した。相続人にあたる父母が相続放棄をした場合,父母の両親(亡くなった人の祖父母)が借金の相続を避けるためには,自らも相続放棄をする必要がある。

◯か✕か。

 

 

正解は。。。

 

 

◯です!

 

なんと,今度は前回記事の第4問とは逆の結論が正解になります∑( ̄ロ ̄|||)

もう訳がわからないですね。

 

 

なぜこのような違いが生じるかの答えは,亡くなった人の祖父母が相続人になる根拠と,亡くなった人の孫が相続人になる根拠の条文の,表現の違いにあります。

 

長文かつ退屈になるのは分かりきっていますが,いちおう司法書士のブログなので,詳しく解説したいと思います。

 

 

相続人になる人の範囲を規定した民法887条,889条は,次のような規定になっています。

 

第887条 被相続人のは,相続人となる。

(以下省略)

 

第889条 次に掲げる者は,第887条の規定により相続人となるべき者がない場合には,次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。

一 被相続人の直系尊属。ただし,親等の異なる者の間では,その近い者を先にする。

(以下省略)

 

注目していただきたいのは,889条では「直系尊属」(←親に限らず,祖父母,曾祖父母など,直系かつ目上の親族をすべて含む)となっているのに対し,887条では直系卑属(子に限らず,孫,ひ孫以降を含む)ではなく,「子」(←孫以降は含まない)となっているところです。

 

第4問 で説明しましたが,被相続人の孫は本来,相続人の地位(順位)をもっていません。子に死亡・相続欠格・廃除があったときにだけ,「代襲相続」という特別なルールによって,例外的に相続の権利を与えられます。

そして,子が相続放棄をしたときは,その特別ルールの適用がありません。

 

一方,被相続人の祖父母は,そのような特別ルールではなく,民法889条によって直接,相続人の地位(順位)があります。

そのため,自分よりも親等の近い者(亡くなった人の父母)がいなければ,必然的に相続人になります。

父母の相続放棄があると,父母は最初からいなかったと考えるため(前回の知識3),祖父母は相続人になり,孫の権利や義務を受け継ぎます。

 

そうすると,今回,祖父母が孫の借金の相続を避けるためには,自分も相続放棄をする必要がある,という結論になるのです。

 

ここまでの作文で疲れたので,だいぶ説明をはしょりましたが,ご理解いただけましたでしょうか。

 

 

さて,これまでの相続クイズを通じて,私が一体何をお伝えしたかったかというと,相続,特に相続放棄において,中途半端な知識は命取りになるということです。

(途中,意地の悪い出題をしたことに対する言い訳ではありません)

 

相続放棄は,自分が相続人であることを知ったときから3ヶ月以内という短い期間に行わなければならず,かつ,一度相続放棄をする,またはそのチャンスを逃すと,やり直しやキャンセルは一切できません

 

裁判所に出す申述書の薄っぺらさ(A4用紙2枚)に驚かれることのある相続放棄の手続ですが,一見ただの紙切れに見えるその申述書には,これまでのクイズで触れたようなややこしい法律知識が,みっちりと詰まっている,こともあります。

 

ということで,この記事をお読みいただいている皆さん,特に前回と今回の出題でうっかり引っかかってしまった方は,相続やその放棄の問題に直面した際には,必ず当事務所にご相談いただければ幸いです。

 

相続まめ知識④ ~相続◯✕クイズ(2)

  2019/05/28    ブログ, 相続・遺言

こんにちは。粒来です。

 

前回に引き続き,今回も相続◯✕クイズです。

今回は,前回クイズで得た知識をもとに,さらなる難問にチャレンジしてもらうことになっていました。

ということで,まずは前回の3問の知識をおさらいします。

 

知識1.亡くなった人に子どもがいない場合,その人の親が相続人になる。

 

知識2.亡くなった人に子どもはいたが,既にその人(子ども)が亡くなっていた場合は,その子どものさらに子(孫)が相続人になる。

 

知識3.相続放棄をした人は,その相続において,最初から存在しなかったのと同じように取り扱われることになる。その結果,相続放棄をした人が存在したから相続人ではなかった人(次順位の相続人)が,繰り上がって相続人になる。

 

よろしいでしょうか。

では,これらの知識をフル活用して,次の問題にチャレンジしてみてください。

 

大事なことなのでもう一度。

上記の知識をふまえて,回答してください。

 

 

第4問(超上級)

死亡したおじいさんに大きな借金があったため,父(おじいさんの子)がその相続について家庭裁判所に相続放棄の手続をした。この場合,父の子(おじいさんの孫)は,自分も相続放棄の手続をしなければ,おじいさんの相続人として,おじいさんの借金を負うことになってしまう。

◯か✕か。

 

難しいので,ヒントです。

お父さんが相続放棄をしたということは,お父さんは最初から相続人でなかったことになりますね。そうすると,相続放棄をしたお父さんがいたために相続人でなかった孫は,どうなるでしょうか。

 

 

 

さて,正解は・・・

 

✕です!

残念でした。ひっかけ問題です(ノ∀`)アチャー

 

前回の知識をもとに考えると,父が相続放棄して最初から相続人でなかったことになると,父がいないことで相続人になる父の子(知識2)が,繰り上がって相続人になる(知識3)と思いがちです。そうすると,父の子も相続放棄をする必要があるように思えてきます。

 

しかし,知識2(代襲相続)について定められた民法887条2項は,実はこんな規定になっています。

 

第887条

2 被相続人の子が,相続開始以前に死亡したとき,又は第891条の規定(相続欠格:引用者注)に該当し,若しくは廃除によって,その相続権を失ったときは,その者の子がこれを代襲して相続人となる。

 

つまり,この規定の適用があるのは,被相続人の子が死亡,相続欠格または廃除によって相続権を失ったときだけで,相続放棄で相続権を失ったときは入っていません
そのため,父が相続放棄をした場合にはこの規定が適用されず,そもそも父の子(おじいさんの孫)には相続権が発生しないことになります。

相続権がないのだから,相続放棄をしなくても,おじいさんの借金を背負う心配はないのです。

 

 

皆さん,私の思惑どおり不正解だったでしょうか??

ほどよく私に対する不信感が芽生えたところで,今回はおしまいです。

次回は,◯✕クイズ最後の問題にチャレンジしていただきます。

 

今回,まんまと騙されてしまった方は,そのモヤモヤした気持ちを抱えたまま,次回の記事をお楽しみにお待ちください( ̄∀ ̄)

 

その紛争,民事調停がいいかも

  2019/04/01    ブログ

 新元号が「令和」に決まりましたが,いっその事「あいわ」になってくれれば良かったのに及川です。

 

 さて,裁判所での手続きといえば「訴訟」を思い浮かべる人が多いと思います。
 また,「調停」という手続きもありますが,こちらは離婚調停などの家事調停を思い浮かべる人が多いのかなと思います。

 実は,民事調停っていうのもありまして,これが中々,理想的な手続きとなっております。

 

1.手続きが簡単。

法律のことがよくわからなくても,簡単に申し立てることが出来るようになっています。札幌の場合は,簡易裁判所の「手続案内センター」というところに行けば,何とかなるようです。

 

2.費用が安い。

訴訟の半額の手数料です。
また,調停委員という人がいて,紛争の内容に応じて,その分野で経験豊富な専門家が調停委員になったりするのです。裁判所お墨付きの専門家の意見がほぼ無料で聞けるというのはかなりお得なことだと思います。

 

3.非公開なので安心。

傍聴席を気にする必要がなく,秘密は守られます。

 

4.申立てから2~3回の期日で結果が出る(ことが見込める)。

訴訟であれば,1審で半年~1年とか普通にかかります。

 

5.厳格な法律論は置いといて,実情に即した解決が可能

話合いなので,柔軟な解決が可能となります。
他方,判決は,事実に法律を適用した結果に過ぎず,仮に勝訴だとしてもあなたの想いは反映されないことがあります。
したがって,経済的な利益だけを考えれば別かもしれませんが,場合によっては民事調停の方が「納得感」があるかもしれません。

 

 このように,民事調停は理想的な手続きとなっておりますが,現実はまた別の話で,やはりデメリットもあるのです。
 デメリットとしては,「相手方に話し合う気がなければどうにもならない」ということが挙げられます。調停は,出席が強制されず,散々時間を費やした結果,やっぱり合意しないという選択肢が常にあります。したがって,調停を選んだお陰でその分の時間が無駄になることがあります。最初から訴訟の方が良かったじゃん,というパターンですね。
 しかし,合意に至らなくても調停を挟むことで得られる良い面もあります。
 例えば,

 

・相手の出方を伺うことで,色々と推し量ることが出来る。
・争点が明らかになり,訴訟の時に審理が散らからない。

 

 という利点はあるかと思います。

 個人的には積極的に利用を検討していきたいところですね。

相続まめ知識② ~平成30年相続法改正(2)

  2019/03/06    ブログ, 相続・遺言

こんにちは。粒来です。

 

気にかけていたのは間違いなく私だけでしょうが,連載すると見得を切ってしまった手前どうにかしなければと思っていた,相続まめ知識をお送りします。

今回は,昨年決まった相続法の改正点のうち「生存配偶者の居住権」についてです。

 

今回の相続法改正では,新たに「配偶者居住権」「配偶者短期居住権」という2つの権利が創設されました(制度のスタートは2020年4月から)。

どちらも,不動産所有者が亡くなった際に同居していた配偶者の保護を目的にしたものですが,想定している状況や権利の内容に違いがあります。

 

1.配偶者短期居住権

不動産所有者が死亡した後,配偶者が自宅を出て他に移ることを前提に,移転までの猶予期間を保証する制度です。

あくまで移転までの一時的な権利なので,その内容は必要最低限の範囲にとどまっています。

(権利の及ぶ物理的な範囲や不動産の使い方が限られ,登記もできない)

 

これまでも最高裁判所の判断により,生前から被相続人と同居していた方が暫定的に保護される仕組みはありましたが,それだけではカバーできないケースがあることが指摘されていました。

新設された「配偶者短期居住権」には,そのような範囲をカバーして,これまでの判例法理を補強する狙いがあるようです。

 

2.配偶者居住権

不動産所有者の死亡後,配偶者が不動産そのものを相続しなくても,長期間(場合によっては配偶者が亡くなるまで)そのまま住む権利を保証してもらえる制度です。

具体的には,不動産の所有権(所有するものを,売る・使う・壊すなど何でもできる権利)から「居住権」(住む権利)だけを分離し,配偶者が「居住権」だけを相続できるようになりました。

 

長期間続く権利だからか,上記の配偶者短期居住権に比べて保護の範囲が広く,権利を登記することもできます。

 

「居住権」は,完全な所有権よりも財産的な評価が低くなるため,相続財産のなかで不動産の価値がずば抜けて高く,配偶者が不動産を所有権で相続してしまうと他の相続人との配分がアンバランスになるケースなどで,この制度が活用できるといわれています。

 

なお,この「配偶者居住権」を設定するには,

不動産所有者が生前に遺言を作り,その中で配偶者に「居住権」をあげる旨を記載しておく

②不動産所有者が亡くなった後,相続人の全員一致で配偶者が「居住権」を取得することを決定する

③相続人の話し合いがまとまらない場合に,家庭裁判所に設定してもらう(ただし,特に配偶者を保護する必要がある場合に限られる)

の,いずれかをする必要があります。

 

ただ,相続人やその関係者が100%円満な関係であれば,不動産の名義や財産の配分にかかわらず配偶者は安心して住み続けられるわけで,税金対策以外であえてこのような制度を持ち出さなければならないケースには,少なからずトラブルの火種があるのではないかと思います。

 

そのような場合,相続人の全員一致に期待するのではなく,不動産所有者が積極的に遺言を作成しておくべきなのはいうまでもありません。

(なお,ここでは触れませんが,配偶者居住権を設定する遺言の表現には押さえるべき勘所があるため,遺言書の作成は専門家へのご相談をお勧めします。)

 

さらに,相続人間の対立が決定的であれば,居住権をもつ配偶者への嫌がらせ目的で第三者に不動産を売却したりする輩が出てくる可能性もあり,そうなると居住権の登記も必須です。

 

相続に関係し,遺言が必要で,登記もできる。

まさに司法書士にうってつけの制度。

 

配偶者居住権を設定するための遺言など,相続について気になることがある方は,ぜひ,当事務所にご相談ください!

 

新手のヤミ金融か!?

  2019/01/16    ブログ, 債務整理

こんにちは。粒来です。

 

今回のブログのタイトル,週刊少年ジャンプの某名作漫画由来だと気づかれた方は,一体どれくらいいらっしゃるでしょうか。

 

さて,突然ですがうちの事務所,ヤミ金融の被害相談が非常に多いです。

札幌やその近郊からはもちろん,東京や静岡,福岡あたりまで,まさに全国津々浦々から相談が来ます。

 

ただ,さすがに本州からの依頼は,すべてお断りしています。

まともな司法書士や弁護士は皆そうだと思いますが,基本的に,面談なしに債務整理事件を受任することはありません。

当事務所にお越しいただくことが難しい地域からの相談者の皆様,あしからずご了承ください。

 

 

ところでヤミ金融といえば,私 粒来が長年,ヤミ金の新手の手口ではないかとひそかににらんでいる,日本の悪しき風習があります。

何かというと,バレンタインデーとホワイトデーのシステムです。

 

先日,朝の情報番組で,「ホワイトデーで最も女性に喜ばれるのは,バレンタインのプレゼントの4倍相当のお返しをあげたとき」というふざけた興味深い話をしていました。

 

バレンタインデーからホワイトデーまではちょうど1か月。

「1ヶ月で4倍」ということは,年利でいうとだいたい4800%です。

うしじま君も裸足で逃げ出す高金利。

 

しかし,残念ながら,ヤミ金融を取り締まる出資法が適用されるのは,原則,「お金の貸し借り」についてだけです。バレンタインとホワイトデーは基本的に物々交換なので(私が知らないだけで,見返りに現金を要求している猛者もいるかもしれませんが),出資法を盾にパートナーのカツアゲおねだりから逃げ切るのは,法律的には難しいのが現状です。

 

一方で,物の売買の名を借りたお金の貸し借りに出資法が適用された例もあるので(先輩司法書士の頑張りで,一昔前に札幌で「金貨金融」として摘発されて全国的にも話題になった),ホワイトデーに調子に乗りすぎてしまった方には,ひょっとすると,刑事罰の制裁が下されることになる,かもしれません。

 

ただ,さすがにホワイトデーに奥様や交際相手に高額なプレゼントをせびられたときには,司法書士に相談しないで,自分でなんとかしてください。
札幌近郊からのご相談でも,お断りです(^_^;)

 

民法最終奥義 「遺留分減殺請求権」

  2018/12/14    ブログ

 

 

最近,新型iPad Pro 12.9インチとApple Pencilを購入した及川です。

 

現行民法は,1条から1044条までの条文がありまして,「総則」,「物権」,「債権」,「親族」及び「相続」の5編からなり,第5編「相続」の最終章に「遺留分」が定められております。遺留分減殺請求権もここに規定されております(1031条)。

 

私は,受験生時代,遺留分減殺請求権を勉強していた時,北斗の拳のケンシロウがやたら世紀末な遺産に対して「お前はもう,減っている(形成権)。」と宣言しているシーンがみえてしまいましたが(もちろんBGM付で),これは受験生の2人に1人の割合でみえるとされていますので別に気にしていません。

 

さて,そんな遺留分減殺請求権が今般,法改正により卒業することになりました。

代わりに新メンバーとして,2019年7月1日から遺留分侵害額請求権が加わります。

 

これにより遺留分がお金で解決し易くなります。

 

被相続人 リュウケン(父)

相続人 ラオウ(子)

相続人 ケンシロウ(子)

 

例えば上記の例で,ラオウがリュウケンから,黒王号という馬の生前贈与を受けていたとして,これがケンシロウの遺留分を侵害していたとします。

この場合,ケンシロウが遺留分減殺請求権を放つと,なんと黒王号がラオウとケンシロウの共有となってしまっていました。

これではラオウの生涯に一片の悔いが残ってしまいます。

 

一方,改正後の遺留分侵害額請求権では共有とはならず,侵害額について金銭の請求をすることが出来るようになります。

従前から遺留分侵害に対しては,結局,金銭的な解決が図られることが多いと思いますので,法律関係がシンプルになった印象です。

 

 

「人は感情でモノを買い,それを理屈で正当化する」という格言がありますが,今はiPadの購入を頑張って正当化しているところです。

 

本当に良い買い物をしました。いや,本当に。

 

相続まめ知識② ~平成30年相続法改正(1)

  2018/10/03    ブログ

こんにちは。粒来です。

 

貴乃花親方(以下,「タッキー」という。)が年寄を引退するそうですが,11歳下の粒来は司法書士としてまだまだ幕下レベルです。

 

さて本日は,連載すると宣言しながら早くもうやむやになっていた,相続まめ知識の第2回をお送りします。

 

今回の話題は,「平成30年相続法改正」です。

 

当事務所のメルマガ を受信していただいている方には既に概要をお伝えしましたが,今年,相続についての基本的なルールを定めた法律が,昭和55年以来40年ぶりに大改正されました。発効日は改正項目によりまちまちですが,一番近いもので約3か月後(平成31年1月13日)です。

今回の改正は,今後の相続実務に直結する変更がたくさんありました。相続まめ知識ブログの格好のネタになるので,順にご紹介していきたいと思います。

 

1.自筆証書遺言の作成方法・保管方法の変更

法律上,遺言を作成する方法は実は何通りもあるのですが,そのうち作成だけを考えると最も手軽なのが「自筆証書遺言」です。

遺言をする人が全文を自筆で書いて捺印するという,2時間ドラマなどでたまに登場する毛筆書きのアレです(必ずしも毛筆で書く必要はありませんが)。

思い立ったらいつでもどこでも遺言を作成できる手軽さと,規定されている形式的な要件を満たさないと,即,遺言全体が無効になるというシビアさが隣り合わせの方式なのですが,特に大変なのが,「遺言書の全文を自筆で書かなければならない」という要件でした。

たくさんある財産の行き先を逐一決めていこうとするのに,それらを網羅的に全部手書きしなければならないというのは,場合によっては遺言者の過度な負担になります。一般的に遺言をするのは高齢の方が多いので,なおさらです。

 

そこで今回の改正では,この点に対する手当てとして,遺言書の内容のうち,財産の目録部分は手書きしなくてもよくなりました。

パソコンで財産目録を作成して印刷したものでもよいですし,遺言で行き先を指定する財産の登記簿謄本や預貯金通帳のコピーなどを遺言書に綴ってしまい,遺言書本文でそれを引用する形でもOKです。

相変わらずその他の要件はそのまま残されているので,大幅に自筆証書遺言が身近になったかというとそんなことはないのですが,従前よりも遺言者の負担が軽くなったのは間違いありません。

なお,この新しい方式の自筆証書遺言ができるようになるのは,平成31年1月13日からです。

 

また,自筆証書遺言の重大な欠点として,遺言書の保管に困る(原本が1通しかないので紛失したら終わり。また,遺言書の内容について秘密を守り,改ざんを防ぐためには遺言者自身が保管しておくのが一番よいが,亡くなった時に遺言書を見つけてもらえないと意味がない。)という点と,死亡後の手続き(家庭裁判所による遺言書の検認)が面倒という点がありました。

今回の改正ではこれらに対する手当てとして,法務局に自筆証書遺言の原本を保管してもらえるようになり,法務局保管の遺言は,死亡後の家庭裁判所の検認も省略できるという制度ができました。

ただ,一見すると非常に画期的な改正なのですが,制度の内容をよくよく見てみると,法務局には必ず遺言者本人が遺言書を預けに行く必要があったり,法務局保管の遺言書も,死亡後にする手続の内容が結局,従前の検認手続とそれほど変わらないものになりそうだったりと,この改正は,それほど利便性の向上にはつながらなさそうな予感も漂っています。

なお,この遺言書の保管制度はまだ細かいことまでは決まっておらず,利用できるようになる日も未定(平成32年7月12日までのいつか)です。

この点は,細かいことがはっきりした段階で,またブログなどでお知らせすることになるかもしれません。

 

今回の記事で主な改正点をすべて網羅してやろうと考えていましたが,意外と記事のボリュームが大きくなってしまい疲れました。続きは次回以降のブログに回します。

 

タッキーもお疲れ様でした。

 

相続対策のCTA

  2018/09/19    ブログ

滝沢秀明さん(以下,「タッキー」という。)は引退するそうですが,同じ年齢の及川は司法書士としてまだまだこれからです。

 

本日は相続対策のCTAを示します。

 

 あなたが不動産を持っていて死にそうなら,今すぐに当事務所に電話して「私は遺言書を作る」と言ってください。

 あなたが不動産を持っていてボケそうなら,今すぐ当事務所に電話して不動産を信託財産にしたいと言ってください。

 

もしあなたが専門家に支払う費用を気にしているのならば,時間がありません。

今すぐに書店に行って書籍を購入したり,無料相談を受けるなどして,法律・税金に関する理解を深めて行動しなければ,ボケるか死ぬかしてしまいます。

 

そして,かなりの時間を費やして,あれこれ悩んだ挙句,あなたはきっと気付くはずです。

 

「最初から専門家に頼んでおけばよかった。」と

どれだけ遠回りをして探しても,人生に近道はないのです。

 

確かに書籍と雛形が揃っていれば,自分でも出来るかもしれませんが,お勧めしません。

仮に失敗して困るのがあなたで,あなたが責任を取れるというのであればやってもいいと思うのですが...

 

相続対策に関しては,失敗して困るのは大抵の場合,あなたではありません。

困るのは,あなたが大切にしたい方々であって,さらに,あなたは既にボケるか死ぬかしています。

 

だから,遺言書,信託契約,これだけでも大違いですよ。

ぜひご検討ください。

 

CTA(コール トゥ アクション)というマーケティング用語があります。「行動喚起」という意味です。

CTAのない文章は,見た人を路頭に迷わせます。

具体的に,分かりやすく,次の行動を示さなければ,どんなに良いことが書いてあったとしても「で,どうすればいいの?」となります。

ボタンがどこにあるか分からない自動販売機のようなものです。

 

今後も多くの人に相続対策の重要性を伝えていきたいですね。

タッキーお疲れ様です。

 

 

家族信託教室 開催のご報告

こんにちは。粒来です。

 

去る8月18日(土),札幌市中央区の「かでる2・7」で,恒例の相続教室を開催しました。

(長期間ブログの更新をサボっていたのは,教室の準備で忙しかったからということにしておきます(´д`;))

 

昨年1月に相続教室を始めた当初は,遺言や成年後見など,従来から相続対策としてなじみのある手法を中心に紹介していました。

しかし,皆さん自主的に参加されるだけあって,相続対策については既にある程度の知識をお持ちです。

 

せっかくお越しいただくのだから,何か目新しくオリジナリティのある内容を提供できないものかと考えて,前回から内容を一新し,革新的な相続対策として注目を集めている「家族信託」にスポットを当てた企画にしています。

 

 

講師はいつもの通り,

先輩司法書士の髙井と,

 

私,粒来が務めました。

 

今回も,個人のお客様から不動産会社,金融機関の方など,幅広い年齢層や業種の方にご参加いただくことができ,あらためて家族信託の注目度の高さを感じました。

 

お忙しいところご参加いただきました皆様には,この場を借りて改めてお礼を申し上げます。

 

次回開催は,12月15日(土)13:30~の予定です。

内容は,未定鋭意検討中ですので,お楽しみにお待ちください!