スタッフ日記

借金問題でお困りの方へ ~任意整理の手続について(その3)~

  2022/03/19    債務整理

こんにちは,髙井です。

前回は,任意整理の手続をとることでのメリット・デメリットをご説明させていただきました。

今回は,任意整理の手続の流れをご説明させていただきます。

 

【任意整理の流れ】

 

STEP1 債権者に受任通知を送付

債権者に受任通知を送付します。受任通知が届くことで債権者からの請求が止まります。

取り立てを止めることで,落ち着いて今後のことを考えることができるようになり,将来の返済計画を立てられるようになります。

 

STEP2 債権の調査・確定

司法書士がこれまでの取引履歴を取り寄せ,利息制限法の上限金利により引き直し計算をいたします。これにより,正確な負債の額を確認することができます。

 

STEP3 返済計画案の作成・債権者との交渉

正確な負債額を確認することができましたら,依頼者様との打合せを行い,今後の完済までの返済計画案を作成し,司法書士が各債権者との和解交渉を行います。

 

STEP4 和解契約・返済スタート

交渉がまとまれば,各債権者と和解契約書を作成し,弁済がスタートします。

 

 

上記のSTEP4までの期間は,4ヶ月程度はかかります。

当事務所では,この間,依頼者様に返済がスタートしてから想定される毎月の返済額を,毎月積立をお願いし,実際に毎月の返済金が準備ができるのかを確認させて頂いております。

 

例えば,債務額が5社で合計200万円の借入れがあり,各債権者との過去の交渉の対応から毎月の返済額を3万5000円まで減額ができると想定される場合は,受任後,支払をストップしてから返済がスタートするまでの間,当事務所の預り金口座に返済総定額の3万5000円の積立をお願いしております。

 

そうすることで,実際に返済がスタートしてからもスムーズに毎月の返済を継続することができます。

 

 

また,当事務所の任意整理の報酬は,1社あたり2万2000円(税込み)に設定しております。

2万2000円の報酬額に設定している理由は,各債権者への返済がスタートするときまでに積み立てて頂いたお金で司法書士費用を全額清算できるようにするため,報酬額を2万2000円に設定しております。

 

各債権者への支払がスタートするときに,まだ司法書士や弁護士報酬の支払いが残っている場合は,それだけで負担が大きくなってしまいます。

 

さらに,司法書士報酬を依頼者様のご負担の少ない額に設定することで,すぐに分割和解の交渉に入ることができ,早期に和解契約を締結することができます。

 

任意整理の場合,債権者は,将来の利息は免除してくれますが,和解日までの利息・損害金を求める業者は多く,1日でも早く分割返済の和解をまとめることで,今後の返済額を少しでもおさえることができるからです。

 

 

そして,最近の傾向として,取引内容によっては,厳しい和解条件を提示する業者が増えております。

 

当事務所では,これまで6000人以上の方の債務整理・借金問題を解決してきた実績があり,日々の和解交渉のなかで債権者ごとの対応を把握しております。

ご相談の際に,債権者名や取引期間,借入額やこれまでの取引状況などをご説明いただければ,任意整理をすることによって,今後の返済額をいくらまで減額できるかなど,返済計画の見通しを具体的にご提案することができます。

 

借金のことで悩んでいる方,任意整理を相談したいと考えている方は,遠慮なく当事務所にご相談ください。相談は無料となっておりますので,相談ダイヤル(0120-913-317)にお電話いただくか,Web相談フォーム(24時間受付中)からお問い合わせください。

また,事前にご予約をいただければ,土曜日・日曜日や夜間のご相談も受け付けております。

 

債務整理を依頼した後は,業者からの取り立てを止めて,支払をストップすることができますので,落ち着いて今後のことを考えられるようになります。

多重債務は,解決できる問題です。まずは,お気軽にご相談ください!

借金問題でお困りの方へ ~任意整理の手続について(その2)~

  2022/03/18    債務整理

こんにちは,司法書士の髙井和馬です。

 

前回は,任意整理の手続の概要について説明をさせていただきました。

今回は,任意整理のメリット・デメリットについて説明をさせていただきます。

 

【任意整理のメリット】

・将来の利息をカットしてもらうため,これ以上借金が増えることがありません。完済までのゴールが明確になり,いつ借金を払い終わるのかを確実に見通すことができます。

 

・司法書士に依頼した後は,各債権者からの取り立てを止めることができ,落ち着いて今後のことを考えられるようになり,将来の返済計画を立てられるようになります。

 

・司法書士や弁護士が貸金業者と直接交渉して手続を進めるため,自己破産や個人再生と比べて手続が簡単であり,官報に載ることもありません。

 

・自己破産のように資格制限がありません。

 

・過払い金が発生している場合は,払いすぎた利息を取り戻すことができる場合あります。

 

・借金の一部だけを整理することができるので,「自動車はどうしても残したい」「保証人には迷惑をかけられない」という方は,自動車ローンや保証人のついた借金についてはそのまま返済を継続し,その他借金のみ任意整理することも可能です。

 

 

【任意整理のデメリット】

・信用情報機関に情報登録され(いわゆる「ブラックリスト」入り),数年間は新たな借金やクレジットカードを作ることができなくなります。

 

・自己破産や個人再生と異なり,債務を減額させることは難しいです。

 

・最近の傾向として,業者や取引内容によっては,厳しい和解条件を提示する業者が増えています。

 

 

以上が任意整理のメリット・デメリットになります。

その中で,最近の傾向として借入期間が短い場合(借りてから1年程しか返済をしていない)や債務整理を依頼する直前にまとまった額を借り入れている場合などは,5年間の分割返済に応じてくれないことが多く,利息の全額カットを認めないケースもみられるようになってきました。

 

当事務所では,これまで6000人以上の方の債務整理・借金問題を解決してきた実績があり,日々の和解交渉のなかで債権者ごとの対応を把握しております。

ご相談の際に,債権者名や取引期間,借入額やこれまでの取引状況などをご説明いただければ,任意整理をすることによって,今後の返済額をいくらまで減額できるかなど,返済計画の見通しを具体的にご提案することができます。

 

借金のことで悩んでいる方,任意整理を相談したいと考えている方は,遠慮なく当事務所にご相談ください。相談は無料となっておりますので,相談ダイヤル(0120-913-317)にお電話いただくか,Web相談フォーム(24時間受付中)からお問い合わせください。

また,事前にご予約をいただければ,土曜日・日曜日や夜間のご相談も受け付けております。

 

債務整理を依頼した後は,業者からの取り立てを止めて,支払をストップすることができますので,落ち着いて今後のことを考えられるようになります。

多重債務は,解決できる問題です。まずは,お気軽にご相談ください!

18歳の君へ贈る言葉

  2022/03/16    ブログ, 債務整理

歳食って体が大きくなっただけで偉くなったと勘違いする、そんな時代が僕にもありました。

 ― 粒来祐介(司法書士 1983~)

 

突然すみません。

何の話かというと,今年の4月1日以降,法律上の成人年齢が従来の20歳から18歳に引き下げられるというお話です。

(参照:政府広報オンライン

柳沢幸雄先生の名著を期待してページを開いた方ごめんなさい。

 

今回の改正によって,18歳からいろいろな契約を一人でできるようになります。自分で商売もできます。親からしつけを受けたり住む場所に口を出されることも(少なくとも法律上は)なくなります。

ただしお酒,タバコはダメです。競馬もダメ。

なお,パチンコはもともと18歳からOKですが,債務整理の仕事をしている立場からはお勧めしません。

 

自分の若かりし頃を振り返ると(←書いてからまるっきりおっさんの表現だと愕然とした)18歳くらいの頃は謎の万能感にあふれていたように思います。

自分にできないことは何もないんじゃないかくらいの。

 

でも,残念ながら全然そんなことはありませんでした。

社会のエグい仕組みなんてほとんど知りませんでしたし,だいたい自分の親がどれだけ頑張って自分を養っていたかさえ分かっていませんでした。

 

そこで今回は,4月に晴れて成人を迎え,社会の荒波に漕ぎ出す18歳の諸君にひとこと物申したいと思います。

 

世の中,悪人が悪人の顔をしているとは限りません。そんなだと誰も騙されてくれないからです。鶴見中尉よりアシリパちゃんのほうが実はヤバい奴だったなんてことも普通にあります。

 

ただ,そういうことはこんなおっさんに言われたところでなかなか響きません。自分で体験して時には砂を噛むような思いをして,実際にやってみないと分かりません。

そういう意味で,成人年齢の引き下げは皆さんが大きく成長するためのチャンスかもしれません。

 

たくさんチャレンジしてください。勝負をしなければ勝つこともあり得ません。失敗できるのは若者の特権です。見境なくがんがんリスクを取ってください。勝率1%なら100回やれば1回は勝てます。

 

そしてその結果,もしも多額の借金を負ってしまうようなことがあったら,当事務所にご相談ください。必ず力になります。

 

 

お分かりいただけたでしょうか。

くれぐれも騙されないでくださいね。

 

借金問題でお困りの方へ ~任意整理の手続について(その1)~

  2022/03/14    債務整理

こんにちは,司法書士の髙井和馬です。

私は平成21年に司法書士登録をし,これまでの12年間,力を入れて取り組んできたのが借金問題を解決する債務整理です。

借金問題を解決する手段としては,任意整理,個人再生,自己破産の3つの手続があり,それぞれにメリット・デメリットがあります。当事務所では,お客様の生活状況に応じて,これら3つの手続を使い分けて,借金問題を解決しています。

 

今回は,3つの手続の中の任意整理についてご説明いたします。

 

任意整理は,裁判手続を使うことなく,司法書士や弁護士が代理人となって,貸金業者と支払方法について交渉して和解する手続です。

将来発生する利息を全額カットして,3年から5年間の分割払いで交渉を成立させるため,返済のゴールが明確になり,いつ払い終わるのかを確実に見通すことができます。

 

例えば,消費者金融や銀行のカードローン等から50万円を借り入れた場合,利息は上限で年利18%を支払うことになるため,毎月の利息の返済だけで約7500円になります。

毎月1万円を返済したとしても,元金に充当されるのは2500円だけであり,これでは一向に借金は減っていきません。

さらに,借入先が複数となると,返済すると手元の現金が不足して,また借入れを繰り返してしまうため,借金の額を50万円から減らすことは難しくなります。

 

そこで,任意整理の手続を取ることにより,将来発生する年利18%の利息を全額カットするように交渉をするため,5年分割で交渉が成立した場合は,50万円の借入金の返済額は月額約8500円となります。

今後は返済をした8500円の全額が元金に充当されることになるため,返済の見通しを立てることができるとともに,利息をカットすることにより返済総額も大幅に減額することが可能となります。

 

債務整理の手続の中では,最も利用される手続であり,手続の特徴として,同居の家族に秘密で債務整理をすることも可能です。

 

しかし,任意整理は,個人再生や自己破産と異なり,法律に基づいて免除や減額,分割払いができるわけではなく,司法書士や弁護士が消費者金融やクレジット会社と個別に交渉をするため,貸金業者ごとに対応が異なる場合があります。

 

任意整理は,利息を全額カットして,5年間の分割払いで和解をすることが一般的です。そして,債権者によっては,長期分割が必要な事情を説明することにより,5年を超える6年の分割返済に応じてくれる業者もいます。

 

しかし,最近では,借入期間が短い場合(借りてから1年程しか返済をしていない)や債務整理を依頼する直前にまとまった額を借り入れている場合などは,5年間の分割返済に応じてくれないことが多く,利息の全額カットを認めないケースもみられるようになってきました。

 

 

当事務所では,これまで6000人以上の方の債務整理・借金問題を解決してきた実績があり,日々の和解交渉のなかで債権者ごとの対応を把握しております。

ご相談の際に,債権者名や取引期間,借入額やこれまでの取引状況などをご説明いただければ,任意整理をすることによって,今後の返済額をいくらまで減額できるかなど,返済計画の見通しを具体的にご提案することができます。

 

借金のことで悩んでいる方,任意整理を相談したいと考えている方は,遠慮なく当事務所にご相談ください。相談は無料となっておりますので,相談ダイヤル(0120-913-317)にお電話いただくか,Web相談フォーム(24時間受付中)からお問い合わせください。

また,事前にご予約をいただければ,土曜日・日曜日や夜間のご相談も受け付けております。

 

債務整理を依頼した後は,業者からの取り立てを止めて,支払をストップすることができますので,落ち着いて今後のことを考えられるようになります。

多重債務は,解決できる問題です。まずは,お気軽にご相談ください!

おまとめローンと債務整理(後編)

  2022/02/24    ブログ, 債務整理

こんにちは。司法書士の粒来です。

 

前回の記事は,おまとめローンは借入残高と利率の兼ね合いで返済しやすい仕組みになっているため,一見借り手に優しく見えるというお話でした。

 

しかし,相続や保証でいきなり多額の借金をかぶったような場合を除き,毎月返済に追われるようになった原因は,借金がなくても既に家計収支が赤字だったことにある方がほとんどです。

特に毎月の返済で精一杯の方は見落としがちかもしれませんが,借金がなくても赤字なら,毎月の返済額をいくら下げたところで新たな借入れをせずに返済を続けるのは不可能です。

おまとめローンで完済した元の借入先は,完済で限度額の枠がまるっと空いて再び借入れをしやすい状態になっており,実際,おまとめローンの債務整理を依頼される方は,多くがおまとめによりいったん完済した業者からもその後に借入れを再開してしまっています。そうなると,おまとめローンが逆に借金増加のきっかけとなり,かえって自分の首を絞めることにもつながりかねません。

 

毎月の返済に追われている方は,つい気を取られがちな目先の返済の軽減ではなく,借金の原因がどこにあり何を修正しなければならないのかをしっかりと見極めるの重要ではないかと思います。

そのような方に必要なのは,おまとめローンではなく債務整理です。

毎月の返済に追われながら自身の生活について冷静に考えるのは非常に難しいと思います。債務整理をすることでいったん返済を止め,債権者からの取り立てのない状況でじっくり自身の生活を振り返ってみる機会が必要です。

 

おまとめローンの利用を検討していること自体は,借金問題を何とか解決しようと前向きに考えている証だと思います。

その気持ちを維持して正しい方法を選択できれば,借金問題の解決はあと一歩です。

 

問題解決に向けた具体的なメニューを用意するのは我々専門家の仕事ですが,以前のブログ記事でも言及したとおり,債務整理をする場合,借金の少ない早期段階の方が整理の選択肢が多くなります。

ご自身の借金に危機感をお持ちの方は,ぜひ,少しでも早い段階で弊事務所にご相談いただければ幸いです。

 

おまとめローンと債務整理(前編)

  2022/02/15    ブログ, 債務整理

こんにちは。司法書士の粒来です。

 

当事務所は債務整理のご相談が非常に多くありますが,よくいらっしゃるのが,複数社の債務を1本化する,いわゆる「おまとめローン」を利用されている方です。

 

法律では,借入額が大きくなると利息の負担が減るようになっています。

具体的には,1契約あたりの借入額が10万円未満の場合に許容される利率の上限は年20%ですが,借入額が100万円以上の場合は年15%とされています。

(参照:日本貸金業協会「お借入れの上限金利は、年15%~20%です」

 

実際,貸金業者の契約も借入残高の増加に伴って利率が下がることが多いため,複数社から小口で借りるよりも1社からまとめて借りた方が利息が減り,結果として返済の負担が少なくなることがよくあります。

また,複数あった借金がひとつになることで負債の管理も楽になります(貸金業者談)。

 

そうすると,特に毎月の返済に追われ借金に苦しむ方にとって,おまとめローンは非常に合理的で魅力的な商品に映るのではないかと思います。

 

しかし冒頭で触れたとおり,おまとめローンを利用してもそのまま完済には至らず,結果的に債務整理を余儀なくされることがよく起こります。

相談を受ける身としては,おまとめローンは本当にいうほどよい商品なのかと考えざるを得ません。

 

そこで後編の記事では,実際の依頼者からのお話で分かった,おまとめローンで陥りがちな落とし穴についてご紹介したいと思います。

 

どのような記事か,お楽しみにお待ちください!

 

お金じゃ買えない価値

  2021/12/24    債務整理

こんにちは。司法書士の粒来です。

今回の記事は,毎年恒例(昨年の記事 からですが),年末のちょっといい話です。

 

我が家は長男が小学1年生になり,今年から学校でスキー授業があります。

コロナ禍もあいまって,長男は今年が人生初スキーなので,用具をいちから揃えるため,先日,自宅の最寄りの大型スポーツ用品店に行ってきました。

 

そこで,思わぬ再会がありました。

 

なんと,対応してくれた店員さんが,半年ほど前に債務整理のご依頼をいただいた方だったのです。

今度はこちらが顧客です。

 

ただ,ご依頼の内容が債務整理で,しかも相手は仕事中です。

気づいても,こちらから話しかけることはなかなかできません。

(無視してるんじゃありません。守秘義務もあって気を遣っているのです。)

 

ところが,買い物を終えて帰ろうとした時,「粒来さんって司法書士事務所にお勤めですよね。」と,先方から声を掛けていただきました。

そのうえ,「債務整理したことで返済の負担が軽くなり,今は生活がだいぶ楽になりました。」と,嬉しいご報告までいただけました。

 

仕事の性質上,債務整理の後も返済がうまくいかず,再度,整理のお手伝いが必要になった方からご連絡をいただくことはあります。

しかし,返済が順調な方からご連絡をいただくことは,ほとんどありません。

 

店員さん(依頼者さん)の丁寧でわかりやすい説明のおかげで,買い物自体も大満足でしたが,ご報告をいただいたことで微力ながら依頼者の生活再建のお役に立てたと感じることができ,買い物以上に価値のある経験ができました。

1年の締めに初心に帰ることができ,本当にありがたかったです。

 

仕事場で話しかけていただくのは,少なからず勇気が必要だったんじゃないかと思います。

仕事上の活力はもちろんのこと,ネタ切れ気味だった私にブログの記事になる出来事までご提供いただき,本当にありがとうございました。

 

しかし,まったく気が抜けません。

気づかずにえげつない値切り交渉とかしてたら,えらいことになっていました。

有名な芸能人とかって,終始こんな生活なんでしょうか。大変ですね。

 

 

さて,時期的に今回の記事が今年最後の投稿になるかと思います。

本ブログをご覧になっていただいた皆様,1年間,私のよた話にお付き合いいただき,誠にありがとうございました。

 

どうせ誰も見てやいないだろうし,投稿をサボってやろうと思ったことも一度や二度ではありませんでした。

しかし,たまにご相談やご依頼をいただいたお客様などからいただく「ブログ見てます」という声を励み(プレッシャ-ともいう。)に,今年も掲載を続けることができました。

来年も,やる気の続く限り皆様にお役立ち情報を提供して参りたいと思います。

どうぞ宜しくお願い致します。

 

では,皆様どうか良いお年をお迎えください\(^o^)/

 

司法書士のお仕事紹介~債務整理編⑧ 自己破産(その3)~

  2021/01/18    ブログ, 債務整理

こんにちは。司法書士の粒来です。

 

今回は,前々回の記事 に引き続き,破産手続における裁判所のチェックポイントをご紹介します。

 

③返済が不可能になった理由や債務形成の経緯が,審査の対象になります。

贅沢品の購入や遊興費,ギャンブル,一攫千金を狙った株やFX取引などの浪費が原因の場合は,法律上,免責不許可事由とされています(破産法252条1項)。

また,生活費の穴埋めで借入金が増えた場合も,あまりにハイペースで借入をしたりしていると,借入当時,返済の見通しについてどう考えていたのかを問われることがあります。

 

④債務整理開始後に,どのように生活再建に取り組んでいるかも見られます。

債務形成の事情を問われるといっても,裁判所は過去の過ちに関しては,ある程度であれば寛容に取り扱ってくれます。

債務整理前に起こってしまっていることは後から変えようがなく,また,破産に至るほど大きな借金のある方だと,返済に追われて泣く泣くルール違反を犯してしまうことも往々にしてあるからです。

免責不許可事由があったとしても,債務整理後の対応が真摯であるなど見るべきところがあれば,裁判所の裁量で免責を受けられる余地が残されているのです(破産法252条2項)。

一方で,債務整理開始後の行動はシビアに審査されます。

債務整理の開始後もだらだらと債務形成の原因となったことを続けたり,破産を希望しながら,財産を隠したり裁判所に虚偽の説明をしたりと不誠実なことをやっていると,裁判所に反省の色なしと評価され,大変なことになります。

 

破産で免責を受けることができれば,借金はほぼすべて帳消しになるので,借り手にとって,これほど効果的な借金問題の解決方法はありません。

しかし,その絶大なメリットを享受するためには,当然ですが,それに値するような筋を貸し手や裁判所に対して通す必要があるということです。

 

いかがでしたでしょうか。

これまでの8回の債務整理の記事を通してお伝えしたかったのは,お金の問題は,なんとかなるということです。

もちろん,債務整理が貸し手の権利を制限する手続きである以上,借り手の都合や希望だけを優先して進めることはできません。しかし,借り手にそれまでの自分の生活を振り返り,債務の負担よりも優先度の低いものをそぎ落とす作業を行う意志があれば,借金の問題は,その状況に応じた解決の道が用意されています。

 

小難しい話もたくさんありましたが,ご相談内容に応じたアドバイスを行い,方針決定のお手伝いをするのは我々司法書士の仕事です。

債務の返済に困ったら,まずはお気軽に,弊事務所までご相談いただければと思います。

 

司法書士のお仕事紹介~債務整理編⑦ 自己破産(その2)~

  2020/11/04    ブログ, 債務整理

こんにちは。司法書士の粒来です。

 

今回も 前回記事 に続いて,自己破産の手続きについてご紹介します。

 

自己破産をすると,一部の例外を除くすべての負債の返済義務がなくなります。

しかし,それは別にお金を貸した債権者が悪いことをしたために裁判所に懲らしめられるわけではありません。法律上問題なく主張できるはずの権利を,債務者からの申立により一方的に請求できなくされてしまうのです。

 

つまり自己破産は,債権者にほぼ全面的に泣いてもらい,その犠牲の上に債務者の経済的な再生を図る手続であるということができます。

 

したがって,破産を審査する裁判所も,債務者にばかり肩入れはできません。

申立書の内容などから,債権者の犠牲の上に債務者を保護するに足りる事情があるかどうかを審査する必要があります。

(その結果,内容に問題がなければ免責が許可されますが,問題が多い場合は,免責を不許可とされる(破産しても借金がなくならない)こともあります。)

 

具体的なポイントとしては,

①一定以上の財産をもっていると,破産の前提として配当(債権者への分配)の対象になります。

前回記事で,生活に必要な家財道具などは処分の対象とならないと説明しました。しかし,あまりに多くの財産を破産者に持たせたままで借金だけを帳消しにするのでは,債権者にとって不公平です。

そのため,債務者が一定の基準を超える財産を保有している場合は,免責を受ける前提として超過分の財産が換価され,債権者に分配されることになります。

②全ての債権者を,一律で手続きの対象とする必要があります。

破産により返済を受けられなくなってしまうのが原則であるにもかかわらず,一部の債権者だけが債務者から支払いを受け続けられるとなると,返済を受けられない債権者は到底納得ができません。そのため,借入の内容を問わず,すべての債務について返済をストップする必要があります。

債権者が消費者金融やクレジットカード会社だけの場合はそれほど問題になりませんが,債務整理をすると車を引き揚げられてしまう自動車ローンや,親族・知人からの借入がある場合でも,それらの債務だけを支払ってしまうことは許されません。

 

以上のポイントは,いずれもお金を貸した側の視点で考えると普通のことなのですが,債務者視点に偏っていると,どうしても単なる手続進行上の「不都合」として捉えてしまいがちになります。

依頼者(債務者)の方が,近視眼的に自分の有利になるように話を進めたくなるのはある意味当然だと思いますが,専門家として破産手続に関与する以上は,依頼者から一歩離れて手続全体を俯瞰し,どう進めるのが最も依頼者のメリットになるのか(裁判所の審査をスムーズに進め,依頼者が最終的に免責を勝ち取れるのか)を考える必要があります。

(結果,依頼者の方に冷たいと思われることもあるかも知れませんが,ひとえに依頼者のためです。)

 

我々司法書士の板挟みの事情と苦しい胸の内(言い過ぎました。)について,ご理解いただけたなら幸いです。

次回も,破産手続における裁判所のチェックポイントについてお話を進めていきます。

どのような記事か,お楽しみにお待ちください。( -`ω-)+ノシ

 

司法書士のお仕事紹介~債務整理編⑤ 個人再生(その3)~

  2020/08/27    ブログ, 債務整理

こんにちは。粒来です。

 

本当は今回から自己破産の手続きのご紹介をしようと考えていましたが,人気ドラマの話題に乗っかってみます。

 

TVドラマの「半沢直樹」が大人気ですね。

物語の後半では,銀行に属する主人公が,経営再建をもくろむ航空会社を巡って,政府とバチバチやりあう様が描かれるようです。

 

そこで描かれているのは,(当事務所が日ごろ取り扱っている個人消費者の事案とは,スケールの大きさや複雑さにおいて天地ほどの差がありますが)いってみれば「企業の債務整理」です。

 

そのドラマの中で,政府側の急先鋒,筒井道隆さん演じる乃原弁護士が,非常に憎たらしいと評判のようです。

劇中,債権者に悪態をついたり机を蹴っ飛ばしたりするなど,非常に横柄な人物として描かれている同氏のセリフに,次のようなものがありました。

 

「銀行には一律7割の債権カットをお願いすることにしました。」

「返答のタイミングは、こちらから連絡します。」

 

なんと,債務者である企業から,本来お金を返さなければならない債権者に対し,一方的に債権の減額を要求し,あまつさえ自由な反論も許さないという姿勢。なんという傍若無人ぶり。

ドラマはもちろん,主人公の属する銀行(債権者)視点で進んでいくので,この弁護士の主張はいかにも不条理に映ります。

 

しかし実は,前回までの記事でご紹介した個人再生の手続きにおいては,上記と似たような債務者本位の取り扱いが,ごくごく普通になされています。

 

再生手続において,債権者は原則として一律平等に債権カットを命じられます(民事再生法231条)。そして,債権者が意見を述べる機会は,債権の金額を届け出る場面(同法94条,225条)と,債権カット等についての最終決議の場面(同法230条)の通常2回くらいしかありません。

(当事務所で依頼者の方がよく利用される,小規模個人再生の場合)

 

ドラマではこれから,安易に負債のカットを推し進めようとする乃原弁護士と,よりよい再建案を模索する半沢次長の対決が見られるのでしょう。

私は日ごろ債務者側でしか仕事をすることがないので,反対の債権者側からの視点や,上記の乃原弁護士の執務姿勢には,少し考えさせられるところがありました。

(当たり前ですが,私は机を蹴ったりしません。悪態はたまにつきますが。)

 

借金の負担を減らすのはあくまで手段であり,大事なのは,依頼者に今後,借金に頼らない安定した生活を営んでいってもらうことです。

 

そのためには,これから半沢次長が大ナタを振るうであろう,企業体質の改善(個人の債務整理でいえば,家計収支をはじめとした生活状況の改善といったところでしょうか。)を行うことも,債務の減額と同じくらい重要です。

 

債権者側から債務整理を描いたこのドラマは,私の隣で,思うさま劇中の弁護士への悪口を言っていた妻とは,たぶん違った意味で楽しめました。

 

ただ,あんたの亭主も実はこの弁護士と似たようなことをやってんだぞ,とはついぞ言い出せませんでしたが。。。