スタッフ日記

司法書士のお仕事紹介~債務整理編② 任意整理~

  2020/05/28    ブログ, 債務整理

こんにちは。粒来です。

 

突然ですが,問題です。

 

【問題】

椎名さんは,不足した生活費を消費者金融やクレジットカードの借入(年利15%)で填補しているうち,債務総額が400万円まで増えてしまいました。

椎名さんの返済の予算は,毎月4万円です。

椎名さんがこの借金を完済するには,いったい何年かかるでしょうか。

※ この事例はフィクションであり,実際の人物などとは関係がありません。

 

「400万円÷4万円=100回(8年4か月)」と答えたあなたは,すぐにクレジットカード(特にリボ払い)の利用をやめてください。

正解は,「永遠に完済できない」です。

 

借入金に限らず,利息のつく取引で分割弁済を行う場合,ほぼすべてのケースにおいて,支払ったお金はまず元金ではなく,利息や損害金に充当されます。

400万円を年利15%で借り入れた場合,1年で発生する利息は

400万円×15%=60万円

なので,1か月分の利息は,その12分の1(5万円)です。

毎月4万円を返済しても利息分の返済にも満たないので,上記のケースでは,どれだけ払っても借入金は減らず,逆に毎月1万円ずつ借金が増えていくことになります。

 

この八方ふさがりの状況を打開するのが,任意整理といわれる債務整理の方法です。

債権者と交渉して,将来発生する利息(上記の「年利15%」の部分)をカットしてもらい,返済したお金でダイレクトに借入金の元金を減らしていけるようにします。

毎月支払ったお金が借入元金に充当されれば,返済するたびに確実に借入金が減っていくので,完済するまでの見通しを非常に立てやすくなります。

 

他の債務整理の方法と比べた任意整理のメリットは,個別の借入先について,それぞれ整理するかどうかを選択できることです。

債務整理などで複数債権者の調整が必要な場合,すべて債権者を平等に扱うのが基本となりますが(いわゆる「債権者平等の原則」),任意整理はあくまで個別交渉なので,債権者の了承さえ得られれば,そこまで厳密な利害調整は求められません。

 

そのため,住宅ローンはもちろん,自動車ローンなど,債務整理をすると担保物件が引き揚げられてしまうものは介入を避け,それ以外の借金だけを整理する必要があるケースなどでは,任意整理は非常に有効です。

 

ただし,お金を借りる時の契約で,「借入金には利息が付く」「返済が遅れた場合は一括請求の対象になる」と約束してしまっている以上,たとえ司法書士が介入したとしても,その約束を一方的に反故にはできません。こちらの要望にどこまで耳を傾けてもらえるかは,最終的には債権者(借入先)次第となります。

資金に余裕がある大きな会社ほど,こちらの窮状をふまえた大きな譲歩をしてもらえる傾向はあるのですが,必ずそうというわけではなく,テレビCMに竹中有名俳優を起用しているような会社でも,驚くくらい和解の条件が渋いところもあります。

 

債務整理に協力的な債権者の場合は「将来の利息を全額カットし,5年分割まで返済を猶予する」といったところまで譲歩してもらえることが多いため,任意整理ができるかどうかは,毎月の返済の予算として,債務総額を60回(5年)で割った金額を準備できるかがひとつの目安となります。

 

これが,任意整理の手続きです。

だいたいの流れについて,ご理解いただけましたでしょうか。

 

 

ここで,「ん?ちょっと待てよ。」と思った皆さんは勘が鋭い。

 

冒頭の事例で,椎名さんの借入総額は400万円,返済の予算は月額4万円です。

任意整理を行う場合,毎月の返済に必要になると思われる金額は

400万円÷60=約6万7000円

なので,任意整理では完全に予算オーバーです。

 

このような場合,椎名さんは債務整理ができず,経営する司法書士事務所をたたんで夜逃げをするしかなくなってしまうのでしょうか。

※ この事例はフィクションであり,実際の人物などとは関係がありません。

 

 

そんなことはありません。任意整理以外にも,債務整理の選択肢はまだあります。

 

ということで,次回は,予算オーバーで任意整理で進めることが難しい方,特に住宅ローンが残った自宅を守りながら債務整理を進めたい方に非常に有効「個人再生」の手続きをご紹介します。

 

 

椎名所長,失礼をお詫び申し上げますm(_ _)m

 

 

遺言が今後より一層,あなたにとって必要な備えになります。

  2020/05/16    ブログ

司法書士の及川です。

 

今回の新型コロナウイルスの影響により,司法書士業務との関係において,主に高齢者の方々との面会が難しくなっており,迅速に法的サービスを提供できない事態に直面しております。

 

特に遺言作成の現場では,既に本人に遺したい言葉の内容を詳細に表現する体力がない場合も見受けられ,時間的に切迫しているケースも少なくありません。「後で落ち着いてから考えよう」では手遅れとなってしまうこともあるのが法律の世界。やはり,事前に対策をしておくことが何より大切だな,と改めて感じております。

 

あなたが本当に司法書士を必要としたときは,果たしてどうなっているでしょうか。

 

というより,あなたの人生が現在どのような局面にあろうとも,遺言を予め準備しておくことは,常に重要なことです。近時,国を挙げて遺言の利用の促進を図る方向での改正や新たな制度の創設がされていることも,予め遺言を作成しておくことが如何に重要であるかを示しています。

 

① 自筆証書遺言の方式要件が緩和されました。
これまでの自筆証書遺言は,遺言書の全文,日付及び氏名を自書(自ら書くことをいいます。)して,これに印を押さなければ,有効な遺言とはなりませんでした。
これが法改正により,平成31年1月13日以降は,自筆証書によって遺言をする場合でも,例外的に,自筆証書に相続財産の全部又は一部の目録を添付するときは,その目録については自書しなくてもよいことになりました。

 

② 自筆証書遺言の保管制度が始まります。
自筆証書遺言の問題点として,せっかく遺言を作成しても,保管方法によっては遺言を見つけてもらえなかったり,破棄・隠匿されるかもしれないなどの心配がありました。
そこで,令和2年7月10日から,法務局において自筆証書遺言書を保管する制度が始まることになりました。

 

今回の機会に是非,遺言の作成をご検討してみてください。

 

自筆証書遺言であれば,低額で,気軽に作成することができます。遺言の書き方などについて,ご不明点がある場合は,当事務所がサポート致しますのでご連絡ください。