スタッフ日記

2015年1月8日 旧ブログ掲載記事


ヤミ金と司法書士


 

こんにちは。椎名です。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

数年前に比べ、いわゆる「ヤミ金」の被害は大分少なくなってきました。

ヤミ金とは、いろいろ種類があるのですが大雑把に言えば、

数万円程度の少額を、出資法違反の年数百%から数千%の利率で貸し付け、

返すことが出来なくなると本人や周囲に脅しの電話等をして

取立をする犯罪者のことです。

ほとんどのヤミ金は、携帯電話の番号しか分かりません。

 

弊事務所では、10年以上前からヤミ金事件を扱っているのですが、

不法原因給付なのでヤミ金には一切支払いをしない

という原則で事件を解決しています。

少しでも支払うと、まだ金を取れると考えて

ヤミ金の嫌がらせがひどくなる場合もあります。

 

司法書士の事務所によってはヤミ金事件を扱わない事務所があります。

 

簡裁訴訟代理権のない司法書士事務所で、登記事件に特化している場合は、

それはそれでひとつの行き方かと思います。

 

簡裁訴訟代理権がある事務所で、ヤミ金事件を扱わない事務所については、

私は好ましく思いません。

せっかく簡裁訴訟代理権を取得しているのに

なんでヤミ金の被害者のために使わないのでしょうか。

少額で、司法書士の代理権の範囲で、困っている人のためになる、

という司法書士にぴったりの仕事だと思います。

まして、難しい論点があるわけでもない。

ヤミ金業者はいわゆる反社会的勢力の人間が多いので、

話すのや嫌がらせがいやだからでしょうか。

それとも、お金にならない仕事だからでしょうか。

司法書士の資格を取得して、

通常の仕事をすればある程度恵まれた報酬を頂くことが出来ます。

だからこそ、いやな仕事やお金にならない仕事もしなければいけないと思います。

 

また、ヤミ金事件を扱っていても報酬が高かったり、

事件の処理の方法が不適切と思われる事務所があります。

 

報酬を1件につき5万円も6万円も取る事務所があります。

ヤミ金に返済して完済になる金額が3万円なのに、

報酬が5万円てどういうことなのでしょう。

そんなところに依頼する人がいるのかと思ったら、実際にいる様で、

司法書士事務所からの報酬の取り立てに困っていると

相談を受けることがあります。

司法書士の報酬は自由化されているとは言え、

本末転倒な報酬額に怒りと笑いを禁じ得ません。

困っている人につけ込むな馬鹿!と言いたいです。

 

そう言う事務所に限って、

ヤミ金に対して支払う和解をしていたりします。

 

ヤミ金事件をどう扱っているかによって、

その事務所の体質がある程度分かると思います。