スタッフ日記

ADRってご存知ですか?

  2017/04/20    ブログ, 司法書士全般, 研修会

こんにちは。粒来です。

 

今週の土曜日,札幌司法書士会のADRセンターの研修に参加してこようと思っています。

 

ADRというのは「裁判外紛争解決手続」の略で,法務省のHPでは

「民事上の紛争を,当事者と利害関係のない公正中立な第三者が,当事者双方の言い分をじっくり聴きながら,専門家としての知見を生かして,柔軟な和解解決を図るもの」と説明されています。

 

司法書士には,争いの目的となっているものの価格が140万円以下の民事上の紛争について,法律相談に応じたり当事者を代理したりする権限がありますが,そのような問題には,必ずしもゴリゴリの強硬手段(裁判手続)で解決を図るのがベストとはいえないものもあります。

 

裁判所は請求する権利の有無について判断してもらう場なので,必然的に,重要視されるのは請求を基礎づける事実(要件事実)があるかないかという点になります。当事者の感情的な対立や紛争の背景というのは,裁判においては余分な情報にすぎず,あまり大きく取り扱ってはもらえません。

 

しかし,裁判所に認めてもらった権利を実現できるかどうかは,権利を認めてもらうこととは別問題です。裁判で勝訴判決を得ても,その結果に相手が納得せず義務の履行を拒まれてしまうと,結局,当事者の希望が実現できずに手続きが終わってしまうこともあります。

これでは,紛争が「処理」されただけで,最終的な「解決」には至ったとはいえません。

 

そのため,当事者(特に請求の相手方)にいかに納得してもらうか,というのも,最終的な紛争の「解決」には大事なことになります。そのために裁判上はあまり重視されない,当事者の感情面にもスポットをあてて問題解決を図りましょう,というのがADR手続の理念です。たぶん。

 

たぶんと書いたのは,今回私が研修に参加する動機が,会のADRセンターの登録の更新期限が迫っており,登録更新のための単位が足りていないことだからです。

最後に研修を受けたのもだいぶ昔の話で,正直,機関設計や手続きの流れの細かいところは忘れてしまいました。

 

上記のとおり(おそらく)高尚な理念のもとに運営されているADR手続なので,いい加減なのは私だけ,みたいな状況で恥をかくことのないよう,せめて真面目に受講してこようと思っています。