スタッフ日記

家族信託教室 開催のご報告

こんにちは。粒来です。

 

去る8月18日(土),札幌市中央区の「かでる2・7」で,恒例の相続教室を開催しました。

(長期間ブログの更新をサボっていたのは,教室の準備で忙しかったからということにしておきます(´д`;))

 

昨年1月に相続教室を始めた当初は,遺言や成年後見など,従来から相続対策としてなじみのある手法を中心に紹介していました。

しかし,皆さん自主的に参加されるだけあって,相続対策については既にある程度の知識をお持ちです。

 

せっかくお越しいただくのだから,何か目新しくオリジナリティのある内容を提供できないものかと考えて,前回から内容を一新し,革新的な相続対策として注目を集めている「家族信託」にスポットを当てた企画にしています。

 

 

講師はいつもの通り,

先輩司法書士の髙井と,

 

私,粒来が務めました。

 

今回も,個人のお客様から不動産会社,金融機関の方など,幅広い年齢層や業種の方にご参加いただくことができ,あらためて家族信託の注目度の高さを感じました。

 

お忙しいところご参加いただきました皆様には,この場を借りて改めてお礼を申し上げます。

 

次回開催は,12月15日(土)13:30~の予定です。

内容は,未定鋭意検討中ですので,お楽しみにお待ちください!

 

相続まめ知識① ~相続放棄の思わぬ落とし穴(後編)

こんにちは。粒来です。

 

前回の続きです。

 

「亡くなった夫には自宅不動産とともに借金がある。不動産も借金も妻である自分が引き継ぐことにしたが,万一にも亡夫の借金のことでひとりっ子の息子には迷惑をかけたくない。そこで,遺産分割協議でなく,息子に相続放棄をしてもらうことにした。」

この場合に息子さんが相続放棄をすると,一体どうなるのか。

 

前回のブログで,相続放棄をすると,被相続人との関係で「最初からその人が存在しなかった」ことになると説明しました。
そうすると,今回,ひとりっ子の息子さんが相続放棄をすると,亡くなったご主人には「財産を相続すべきお子さんが,もともといなかった」ことになります。
つまり,今回の相続は「お子さんのいない夫婦」と同じ取り扱いになります。

 

法律上,お子さんがいる夫婦の場合,相続人の範囲は「配偶者と子」です。
では,お子さんがいない夫婦の場合,残った配偶者だけが相続人になるかというと,そうではありません。この場合,「被相続人の直系尊属(親など)」または「被相続人の兄弟姉妹」が,お子さんに代わり,繰り上がって相続人になるのです。

 

今回,被相続人の奥さんは,プラスもマイナスも,被相続人の財産も自分に集約させようと考えていました。しかし,そのために息子さんの相続放棄という選択をしてしまうと,相続財産を集約させるどころか,一般的に息子さんよりも関係の希薄な,ご主人の親御さんやご兄弟を,相続関係に巻き込むことになってしまうのです。

 

これで新たに相続人になった人達がみな元気で協力的であればまだ救いがありますが,折り合いが悪い方や認知症の方がいて,とても相続について話し合える状況ではなかったら,どうなってしまうでしょうか。

最悪の場合,不動産の名義変更はできず,債権者はご主人の親御さんやご兄弟相手に取り立てを始めるという,当初の思惑とは真逆の結果を招いてしまうことになります。

 

 

相続放棄を検討する際は,3か月という短い熟慮期間もあいまって,どうしても亡くなった方の財産や負債の状況ばかりに目が行きがちです。

しかし,財産ばかりに気を取られて相続関係の検討を怠ると,今回のような落とし穴にはまってしまうことがあるので,注意が必要です。

 

 

ということで,今回は相続放棄の注意点についてご紹介しました。いかがでしたでしょうか。

「生兵法はケガの元。やっぱり相続は司法書士に依頼しよう!」と思っていただけたのであれば,もうけもの幸いです。

 

早くも連載ものにすると宣言したことを後悔し始めていますが,次回以降もネタの続く限り,皆様のためになる相続まめ知識を提供していきたいと思います。

ぜひ,お楽しみにお待ちください!

 

相続まめ知識① ~相続放棄の思わぬ落とし穴(前編)

  2018/05/24    ブログ, 相続・遺言

こんにちは。粒来です。
だんだんブログの話題に困ってきました。
そこで,これから何回かに分けて,数ある相続のルールのうち,特に間違いや勘違いが起こりやすいポイントについてご紹介していきたいと思います。

 

1回目の今回は,『相続放棄』が相続関係に及ぼす影響について。

 

当事務所に寄せられる相続のご相談で,たまに「自分は相続財産を一切受け取るつもりがないので,相続の放棄をしたい。」という方がいらっしゃいます。

ただ,ご相談の結果,そのような方が実際に『相続放棄』の手続を選択されることはそれほど多くありません。

なぜかというと,相続財産を受け取らない方法には,『相続放棄』のほかに『遺産分割協議』というものもあり,ご相談の結果,そちらの手続を選択される方が多いからです。

 

相続放棄は,家庭裁判所に申述をすることにより,被相続人(亡くなった方)との関係で,自分が最初から相続人でなかった(≓存在しなかった)扱いにする手続です。
はじめから相続人でなかったことになるため,その後は相続手続に一切関与する必要がなくなります。また,被相続人のマイナスの財産(借金など)を引き継ぐ義務も,当然になくなります。
相続人間に争いがある場合や,被相続人に財産以上の負債がある場合には有効な方法なのですが,裁判所を通す必要があるので,手続に手間と時間(あとは司法書士費用)がかかります。

 

これに対して遺産分割協議は,自分が相続人であるという前提で,相続人全員の協議により,相続財産の分配方法を決めるものです。この話し合いで自分が相続する財産をゼロにすれば,わざわざ相続放棄をしなくても,相続財産を受け取らないという選択ができます。

遺産分割協議は「話し合いでプラスの財産の分け方を決める」もので,裁判所での手続も不要なので,相続人間で争いがなく,被相続人に大きな負債もなければ,非常に手軽で有効な方法です。

 

 

・・・と,このような説明をすると,だいたいは遺産分割協議で話を進めていくことになるのですが,なかにはこういう方もいらっしゃいます。

 

「亡くなった夫には自宅不動産とともに借金がある。不動産も借金も妻である自分が引き継ぐことにしたが,万一にも亡夫の借金のことでひとりっ子の息子には迷惑をかけたくない。そこで,遺産分割協議でなく,息子に相続放棄をしてもらうことにした。」

 

ところが,このケースで息子さんが相続放棄をすると,場合によってはとんでもないことになってしまいます。

 

どういうことかというと。。。

 

長くなってしまったので,続きは次回にします。

乞うご期待!

 

相続遺言教室~家族信託編~のお知らせ

こんにちは,高井です。

皆さま,「信託」という制度をご存知でしょうか。

これは,財産の管理を信頼できる人=家族などに託すことから,「家族信託」とも呼ばれており,今注目を集めている財産管理の手法です。

 

弊事務所では,「家族信託」をテーマにして

4月7日(土)午後1時30分から,かでる2・7(中央区北2条西7丁目)

で,セミナーを開催いたします。

 

セミナーでは,

・そもそも,家族信託って,どんな制度なのか

・家族信託を活用して,どのようなことができるのか

・遺言や生前贈与,成年後見制度とは,どんなところが違うのか

などについて,わかりやすく,ご説明いたします。

 

信託は,認知症対策や相続対策にも活用されており,

例えば,認知症などで判断能力が低下してしまい,自分で財産管理ができなくなった場合でも,事前に信託契約を結んでおくことで,自宅不動産やアパートの管理・処分について,契約で受託者としてお願いをした家族などに,不動産の管理等を任せることができます。

 

また,ご自身が亡くなった後の財産についても受託者に管理してもらうこともできます。例えば,自分が亡くなった後は,信託財産の中から,障害のある子の生活費の支払いに使ってもらうように受託者に依頼することもできます。

自分が亡くなった後の財産の使い方については,遺言では指定はできないため,自分が亡くなった後の財産については,障害のある子や妻の生活費に使ってほしいという希望がある方は,家族信託を検討してみるのも良いかと思います。

 

セミナーでは,家族信託の活用例を通じて,参加者の皆さまに,「家族信託」ってどのような制度なのかを,お伝えできればと考えております。

また,セミナー修了後は,ご希望に応じて個別相談も受け付けております。

 

セミナーにご興味のある方は,お気軽にお問い合わせください。

 

お問い合わせ電話番号

0120-913-317

 

下の写真は,昨年12月2日(日)に開催した相続遺言教室です。

ご参加いただきました皆さま,どうもありがとうございました。

 

相続セミナー ご参加ありがとうございます

こんにちは,高井です。

10月14日(土)に,弊事務所主催の相続セミナーを「かでる2・7」で開催いたしまた。当日,ご参加いただきました皆さま,ご多忙のところ誠にありがとうございました。

 

 

セミナーでは,「司法書士業務の現場から見えてくる相続対策の必要性」と題して,実例をもとに相続対策の必要性をご説明しました。

内容は,円満な相続を実現する遺言書の作成ポイントをお伝えするとともに,遺言書だけでは対応できない場面として,認知症対策として,今注目の家族信託の活用例もご紹介させていただきました。

 

弊事務所では,定期的に皆様のご参考になるセミナーを開催しております。

随時ご案内しておりますので,ご興味を持って頂いた方は,是非ご参加いただければと思います。

 

 

 

メルマガ始めました!

  2017/03/16    お知らせ, ブログ, 相続・遺言

こんにちは。粒来です。

 

皆さまの相続問題に対する関心の高まりを受けて,数か月前から温めていた企画だったのですが,本日から毎月1回,弊事務所より『相続・贈与メールマガジン』を無料配信させていただくことになりました!

 

↑こんな感じです。

 

メルマガには,相続にまつわる話題やお役立ち情報を掲載した『相続・贈与マガジン』と,弊事務所のお便り『あいわ通信』を添付しており,法律知識のない方から,お仕事で相続問題に接する機会の多い方まで,幅広くお楽しみいただける内容になっています。

 

 

 

初回の本日は,今まで弊事務所とお取引があったり,弊事務所とご縁をいただいた方に配信させていただきました。

配信先にはご無沙汰していた方も多く,ご挨拶もなくいきなりメールを送り付けて怒られやしないかと多少の不安もあったのですが,幸い,反応は非常に良好でした。

早くも初日からメルマガを見てのご連絡をいただくこともでき,非常にありがたく,本当にうれしい限りです。

 

ただ,自分で言うのもなんですが私は叩かれて伸びるタイプなので,メルマガについてご意見等があれば,厳しいものでもご遠慮なくお寄せください。

 

 

また,今後,相続・贈与メールマガジンの配信をご希望の方がいらっしゃれば,

 

メールタイトルを「メルマガ配信希望」として,

メール本文に,

・お名前

・会社名

・配信を希望されるメールアドレス(PCまたはスマホ推奨)

・相続について知りたいこと,お悩みのこと(もしあれば)

 

をご記載のうえ,

 

担当司法書士 粒来(つぶらい)のメールアドレス

tuburai@aiwas.jp

 

まで,お気軽にご連絡ください。

 

賛否両論,ご連絡をお待ちしております!

 

相続セミナーのお知らせ

こんにちは,高井です。

弊事務所では,2017年4月16日(日)午後1時30分から

かでる2・7(中央区北2条西7丁目)で,相続セミナーを開催いたします。

第3回目の相続セミナーとなります。

テーマは,

~司法書士業務の現場から見えてくる相続対策の必要性~

と題して,実例をもとに,私(司法書士高井和馬)がお話をさせていただきます。

 

司法書士は,日常業務である不動産登記手続や裁判手続を通して,皆さまの「権利」,その中でも特に「財産権」を守ることを主な仕事としています。相続の場面では,不動産の名義変更などを通して,相続人の方に適切に遺産を承継するお手伝いをしております。また,最近では,成年後見制度を利用して認知症の方の財産管理をサポートする仕事も増えております。

 

しかし,これらの相続や成年後見の手続を進めるうえで,中には手続が円滑に進まないことがあります。例えば,一人の相続人の反対にあい遺産分割協議がまとまらないケースや,相続人の中に行方不明の方がいるケースなど,問題解決に非常に苦労する場面もあります。

このようなケースでは,実は,事前の相続対策さえとっておけば,手続きが迅速に終わり,費用もかからず,親族間の対立も起こることなく,円満・スムーズに相続手続が完了することがほとんどです。

 

そこで,この度のセミナーでは,普段,我々が業務を行う中で,事前に適切な相続対策をとっていなかったために,スムーズな相続を実現できなかったケースをご紹介することで,皆さまの今後の相続対策のご参考にして頂ければと思い,セミナーを開催させて頂くことにしました。

 

セミナーでは,相続対策の基本となる遺言について,円満相続を実現する遺言の作成ポイントをお伝えいたします。最近では,事前の相続対策の重要性も認識されつつあり,遺言を書く方が増えております。しかし,遺言もとりあえず書いておけば安心というわけではありません。そこで,セミナーでは,具体例をまじえながら,わかりやすく,遺言の作成ポイントをご説明いたします。

 

また,相続対策の基本は遺言を書くことですが,成年後見制度の制度上の限界から,遺言では対応できないケースもあり,最近では民事信託を活用するなど,新たな相続対策も注目されています。セミナーでは,このような遺言以外の相続対策の実例も,あわせてご紹介できればと考えております。

セミナー終了後は,ご希望に応じて個別相談を受け付けております。

 

セミナーにご興味のある方がいらっしゃいましたら,お気軽にお問い合わせください。

 

お問い合わせ電話番号

0120-913-317

 

下の写真は,2月19日(日)に開催した相続セミナーです。

ご参加いただきました皆さま,どうもありがとうございました。

相続対策の革命『民事信託』

  2017/03/06    ブログ, 相続・遺言

こんにちは。粒来です。

 

たまに真面目な記事を書こうと思ったら,また文字だけで長文になってしまいました。

以下,根比べのつもりで気長にお読みいただければ幸いです。

 

さて,みなさんは「民事信託」という制度をご存知でしょうか。

 

ますます社会の高齢化が進み,「終活」など生前からの相続対策に注目が集まっていますが,遺言や成年後見の制度が普及するにつれ,その構造的な弱点や限界も明るみに出てきました。

 

遺言では,自分が決められるのは自分が亡くなった時の財産の承継方法だけで,その後に財産を引き継いだ方が亡くなった時のことまでは指定できません。そのため,例えば先祖代々の土地を自分の親族に連綿と受け継いでもらいたいと考えていたとしても,相続関係によっては必ずしもそれを実現できるとは限りませんでした。

 

また,成年後見では,本人(被後見人)の財産を他人のために使ったり,リスクのある運用の仕方をすることは原則的に許されません。そのため,本人がいくら自分の財産を家族のために使いたい(あるいは遺したい),そのために自分の財産を積極的に活用したいと考えていたとしても,ひとたび本人の判断能力が減退し,後見が開始してしまうと,その後の本人財産の使いみちは非常に限定的なものにならざるを得ませんでした。

 

そんな中,それらの不都合を解消できる画期的なスキームとして注目されているのが,冒頭に書いた「民事信託」なのです。

どのような制度かというと,まず,本来はあらゆる権利を一緒くたに内包している「所有権」(物を所有している人がもつ,その物を好きにしていい権利)を,法律上,「その物を管理・処分する権利」と「その物から利益を受ける権利」の2つに分けてしまいます。そして,そのうちの「管理・処分する権利」だけを,もともとの所有者が信頼できる第三者に託し,その管理・処分の結果発生した利益は,別に指定する「利益を受ける権利」を持つ方が受け取ることにするという制度です。

 

「管理・処分する権利」を託される第三者(=受託者)は,もともとの所有者(=委託者)との間で,その物(=信託財産)を自分のためでなく,「利益を受ける権利」をもつ人(=受益者)のために管理・処分するという固い約束(=信託契約)をします。

それにより信託財産は,委託者の手は離れますが,かといって純粋な受託者の財産でもない,いわば宙ぶらりんの財産という特殊な状況に置かれることになります。

 

その結果,その後に委託者が亡くなったとしても,信託財産は当然に委託者の相続人に承継されるものではなくなります。信託契約の中で,最初の受益者が死亡した時に備えて二次的・三次的な受益者まで決めておけば,遺言では実現できなかった,自分の財産を引き継いだ方が亡くなった後の,連続的な財産の帰趨まで指定できるようになります。

 

また,認知症等で委託者の判断能力が衰えてしまっても,信託財産を管理・処分する権限は既に受託者に移っていますので,受託者が元気でいる限り,受託者が信託契約の内容に従って(たとえそれが委託者の家族のためや,積極的でリスクを伴う運用方法だったとしても問題なく)信託財産の管理・処分の方法を決めていくことができます。

 

いかがでしょうか。実に画期的な制度だとは思いませんか!?

 

と,ここまで本当に根気強くお読みいただいた方はお察しかもしれませんが,この制度,すごく分かりにくいのが難点です。

今までの常識にとらわれない画期的な解決方法であるがゆえに,そこで使われる考え方もまた,今までの常識から離れた,非常になじみの薄い,分かりづらいものになっています。

 

しかし,今までの制度の不都合を解消できる以上,需要は必ずあるはずで,そういう分かりにくいのと引き換えにメリットの大きいサービスというのは,まさに専門家の腕の見せ所ではないかと思っています。

 

ただ,分かりにくいのは私にとっても同じなので,自分の準備不足から依頼者の方のニーズに応えられないなんてことになったら目も当てられません。

司法書士になってもうすぐ7年ですが,これからもずっとコツコツ勉強の日々が続きそうです。

 

民事信託について興味がおありの方は,ぜひ当事務所までご相談ください!

 

相続セミナー第2弾!

こんにちは。粒来です。

2月19日(日),当事務所の企画した相続セミナーの第2回を開催しました。

セミナーの内容は,前回同様,遺言書その他の相続対策の重要性について。

そして,講師を務めたのが,実は私,粒来でした。

 

↑ブログに自分の写真を載っけるなんて女子の特権だと思っていましたが,まさか自分がやる羽目になるとは。人生わからないものですね。

 

過去に,司法書士会の研修でも一度だけ講師を務めたことがあったのですが,その時は当事務所の他の司法書士2名と一緒だったため,一人で1時間以上の長丁場というのは今回が初めてでした。

今回のセミナーでは,並み居る大観衆の前(嘘です。話を盛りました)で,聴講者の方々がどのように考えているのか反応を見ながら(嘘です。そんな余裕はありませんでした)話すことができ,非常にいい経験になりました(これは本当です)。

反省点や改善点もたくさんあったので,それらを今後に活かし,次回はもっともっと聞きやすく,分かりやすい講義を心掛けたいと思います。

 

当日,お忙しいところセミナーに足を運んでいただきました皆さんには,この場を借りて改めてお礼を申し上げます。

 

当事務所では,今後も定期的に,皆さんのお役に立てるような内容のセミナーを企画,開催していく予定です。

興味がおありの方は,お気軽に当事務所までお問い合わせください。

 

相続手続のルール変更と遺言の重要性

  2017/01/11    ブログ, 相続・遺言

あけましておめでとうございます。粒来です。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

新年1回目の当番ということで,今回はまじめに,少しでも皆様のためになる情報を提供させていただきたいと思い,相続手続について書くことにしました。

以下,写真もなく長文ですが,お付き合いいただければ幸いです。

 

昨年の12月19日,最高裁判所で,相続手続に関し,従来のルールを変更する重要な決定がありました。

なお,最高裁判所は,言わずもがな日本で最も権威のある裁判所で,ここで新しい判断がされるということは,実務上,新しい法律ができるのと同じくらいの意味があります。

 

決定の内容は,「共同相続された普通預金債権,通常貯金債権及び定期貯金債権は,いずれも,相続開始と同時に相続分に応じて分割されることはなく,遺産分割の対象となる」というものでした。

 

今までは,共同相続された普通預金や通常貯金は,不動産や有価証券などと違い,遺産分割協議(相続人全員で遺産の分け方を決める話し合い)がなくても,各相続人が独自に自分の取り分を主張できることになっていました。

そのため,相続人の意見が一致せず遺産分割協議がまとまらない場合でも,最悪,一部の相続人が自分の取り分だけを請求すれば,(金融機関の抵抗はありましたが)最終的には預貯金の一部だけの払い戻しを受けることができていました。

 

しかし,今回の決定により,今後は相続人間で協議がまとまらないければ,時間と労力のかかる家庭裁判所の調停や審判までして遺産分割をまとめないと,払い戻しを受けることはできなくなりそうです。

 

つまり,今回の決定により,相続人の足並みが揃わない一部のケースにおいては,相続手続きを進めることがより一層難しくなりました。

 

しかし,自分の推定相続人同士の不仲等で,協議がまとまる見込みが薄いことが生前から分かっているのに,何も対策ができないかというと,そうではありません。

遺言を使って,自分で自分が亡くなった後の財産の分け方を決めてしまえばよいのです。

 

遺言では遺産分割方法の指定(遺産の具体的な分け方を,遺言者が事前に決めてしまうこと)ができ,これをしておけば,遺言者が亡くなった後で,相続人が遺産分割をまとめる必要がなくなります。

今回の決定は,遺産分割の対象となる(相続人全員が口を出せる)財産をできる限り広くすることで,相続人間の公平を図ろうというものなのですが,そもそもそこまでして相続人間の公平に配慮しなければならないのは,被相続人(亡くなった方)が,自分が亡くなった後の財産の処分方法を決めていないからです。

相続財産は被相続人のものですから,その人が決めた分割方法であれば,多少の不公平があっても,「自分の財産をどう処分しようと自分の勝手」ということで正当化できます。相続人にとっても,被相続人が決めておいてくれた遺産分割の方法に従って手続を進めるのと,利害関係人同士の話し合いで手続を進めるのとでは,大きく気持ちが違うはずです。

 

今回の最高裁決定は,上記のとおり一部のケースにおいて相続手続を難しくするものではありますが,同時に相続対策としての遺言の重要性をさらに高めるものではないかと思います。

 

今回の件に限らず,遺言を残しておくことで回避できる相続手続のリスクや手間はたくさんあります。遺言の作成を検討されていたり,詳しく話を聞いてみたいという方は,ぜひ当事務所までご相談ください。